造林の技術指針示す/林野庁が長官通知

林野庁整備課造林間伐対策室(天田慎一室長)は3月31日、作成に向けて取り組みを進めてきた省力・低コスト造林技術指針を「造林に係る省力化・低コスト化技術指針」としてまとめ、各都道府県に対し林野庁長官名で通知した。同技術指針は、これまでの調査や実証等により明らかになった省力・低コスト造林に資する技術について、基本的な考え方、技術的な事項、作業上の留意点などを定めたもので、この先、林政のメーンテーマでもある「伐って、使って、植えて、育てる」を実現していく上で求められてくる「植えて、育てる」の、いわゆる造林分野での「造林費用の低減と確実な成林を図ること」(林野庁)を目的としている。林野庁が造林関連で技術指針を示すのは今回が初めてのこととなる。
林野庁は3月31日付で、これまで取り組んできた「省力・低コスト造林技術指針」を「造林に係る省力化・低コスト化技術指針」として施行、各都道府県に対し長官名で通知した。
現在の日本の森林は1000万ヘクタールを超える人工林が本格的な利用期に入っている。主伐こそ増加しているが、一方で主伐後の再造林は伐採面積に対し低位な状況での推移を余儀なくされている。
再造林が進まないボトルネックとして上げられるのが、森林管理意欲の減退、木材の販売収益ではその後の再造林費用が賄えない構造、林業従事者、とりわけ造林作業手の減少など。再造林を進めるためにも、造林コストの低減や作業の省力化など、技術の確立が問われている。
中でも苗木生産の効率化(コンテナ苗の導入、生産工程の高度化)、地拵え・植栽の効率化(伐採と造林の一貫作業システムの導入)、植栽効率の向上・植林作業の機械化(低密度植栽の実施、下刈り機械の導入)、下刈りの省力化等(エリートツリー等の活用、大苗の活用、下刈り回数や方法の見直し)などの取り組みが進められてきた。
しかし、こうした取り組みが様々な主体により各地で行われてきたことから、林野庁では昨年、「我が国における省力・低コスト造林の確実な実装を図るための道しるべが必要」だとして「省力・低コスト造林の技術指針」を案として作成。昨年、7月の大阪を皮切りに、長野、秋田、宮崎、東京と全国5カ所で開いた「省力、低コスト造林技術の普及に向けたシンポジウム」で技術指針案の紹介を進め、意見等を募ってきた。
様々な指摘、意見を踏まえてこの度、施行されたのが「造林に係る省力化・低コスト技術指針」。すでに標準化されているような技術についてまとめるとともに、指針で示した効果や根拠についての解説をセットしているのがポイントとなっている。
取り上げている技術は、(1)機械による地拵え(2)機械による苗木運搬(3)コンテナ苗の植栽(4)伐採と造林の一貫作業(6)低密度植栽(7)下刈り回数の削減(8)下刈り面積の削減(9)付帯施設整備の省力化の8つで、標準的な組み合わせなどを示している。
林野庁では今回の技術指針をホームページにアップし、広く周知を図るとともに、現場での積極的な実践に期待をかけている。









