各社の対応:米価の影響は様々/岐阜県特集

(株)東海近畿クボタ(森藤雅隆社長)の昨年の実績は前年並みで推移し、計画を達成した。「昨年7月の価格改定前には、大規模農家を中心に駆け込み需要がみられた。その後米価の高騰の影響で、11、12月は予想以上の実績で盛り返すことができ、計画達成につながった」と、東海事業部長の神野栄治取締役は昨年を振り返った。
主要3機種の動きを見ると、トラクタ、田植機は大型クラス、コンバインは中型クラスが前年並みの動きをみせた。
しかしどの機種も小型クラスの農機の販売が振るわないという。小規模農家は米価の高騰の影響が少なく、現段階では農機の更新にはつながらなかったと思われる。
一方、防除機や草刈機などの実績は伸びており、圃場及び耕作放棄地を管理するために、草に関連する農機への関心が高まっているようだ。
低価格コンバインに関しては「まだ大きな動きはみられないが、価格か性能かという選択肢を提供することが呼び水となり、購入への関心が高まっている」と、コンバイン自体の販売に貢献している。
本年1、2月の実績は昨年より増加している。ライスセンターなど施設を建設する人が出てくるようになり、実績を牽引した。米価高騰の影響もあるが、「補助金に対応するため、年度内の納品が進んでいる」という。
新シーズンに向けた動きとしては「お客様との会話の中で今後何をしたいか、どうしていきたいかを伺い、それぞれに最適な提案をしていく」と、戸別訪問をしながら顧客とのコミュニケーションを強化していく。
「セールススタッフは修理の目標がある。庭先点検などでオイルや爪交換などを行うことで、セールス自身の信頼につながる。また機械の状態を把握し説明することで、修理の受注及び農機の更新につながる」と、常に顧客の考えを理解し、顧客の立場に立った提案をしていく。
神野部長は「地域を守るために請負をしている方、中山間地で手間が掛かりながらも農業を続けている方など、農業を積極的に頑張っている方を支えていきたい。農業をやりたい人に、やれる方法を探して一緒に進んでいく」とし、今後も安全優先で生産者をサポートしていく。
(株)ISEKI Japan関西中部カンパニー(南孝明社長)岐阜営業部(松尾尚部長)は、本年1月1日に体制を変更し新たなスタートを切った。岐阜営業部は引き続き松尾部長がまとめ、指揮を執る。
昨年の実績については、前年比微減となり、「米価の高騰の影響はあまり見られなかった」と松尾部長は振り返った。
一昨年は肥料・農薬の価格高騰に対する補助金などがあった影響で実績が高かった。「昨年は米価の高騰もあったが、資材・肥料・農薬などの価格の高騰により、農家が潤ったというところまではいかなかった」という。
大規模農家などは、計画的に農機を更新している。「米価の高騰は、やはり突発的なものとして考える人が多いため、農機の購入も慎重だ。今後、米価が高い水準で安定していければ農家の動きも変わると思うが、実際は補助金の影響の方が大きく、農機の購入が活発になる」という。
そのような状況でも昨年12月には、トラクタが実演機と共に販売が好調だった。また、コンバインも低コスト機を中心に好調だった。1年を通して、展示会を軸に農機の実演・提案を行ってきたことが結果につながった形だ。「基本的には3・6・11月に展示会を開催。それに合わせて、展示会の前後に推進活動を行う。その他は、時期に合った農機の実演を行い、顧客に農機の性能を体感してもらう。積極的にイベントを行い、顧客とのコミュニケーションを取りながらニーズを捉え、提案している」と、年間を通しての提案に取り組んでいる。
3月14、15の2日間には、岐阜営業所にて展示会を開催した。天候に恵まれ、朝から多くの農家が来場し賑わい、新シーズンに向けてのスタートを切った。
松尾部長は「今年はISEKI Japanのスタート、そしてヰセキ農機100周年と記念すべき年だ。ヰセキはこれまで人と人とのつながりを大切にしてきた。世代が変わると考え方も変わるが、常に顧客の立場に立ってきたことが、今もヰセキが支持されている理由だと思う。今年の弊社のテーマは『変革』。時代・世代と共に様々なモノが変わっていくが、臨機応変に対応し、変革しながら顧客満足を追求していきたい」と、力強く語った。
ヤンマーアグリジャパン(株)中部近畿支社(山崎有支社長)中部営業部岐阜ブロックは、本年1月に中川秀樹氏がエリアマネージャーに就任した。取材には、昨年12月まで岐阜ブロックを担当していた辻野章彦氏(現富山ブロックエリアマネージャー)にも同席していただいた。
岐阜ブロックの昨年4月~本年2月の実績は、前年並みで推移した。「昨年4月からの価格改定で前半は少し苦戦したが、後半は米価の高騰により農機の動きも活発になり、実績を持ち直すことができた」と、辻野マネージャーは振り返った。
主要3機種の動きを見ると、昨年末から田植機の販売が伸びている。「新シーズンに向けて、田植機を購入する動きが出てきた。年が明けてもその動きは変わらない」と中川マネージャー。米価の高騰の影響は続いており、農家の購買意欲は上がったままだ。「これから田植えに向けて、さらに購入する農家も増えてくるだろう」と、期待する。
作業機の販売も好調だ。「YDPシリーズが好評で、実演依頼も増えており、実演をすればほぼ購入が決まる」という。同機は強制駆動式ディスクの回転により、湿田や固い土でも縦に切り崩しながら反転させるため、低馬力で広い耕幅の深耕・天地返しが効率良くできる。圃場条件を選ばず使用でき、理想的な土づくりができる製品として注目されている。その他、モア関連の作業機への関心も高い。今後もトラクタにベストマッチな作業機として、実演を中心に推進していく考えだ。
今後の重点項目としては、訪問・実演の強化を継続していくとした。顧客への訪問時には軽トラに管理機や小物の機械を積んで、常に実機を見せる機会を増やしていく。「農家の方はやはり機械が好きなので、実機を持っていけば興味を持ってくれて話題作りにも役立つ。また販売につながることもある」と、中川マネージャー。これまでも行ってきた活動であり、実績にもつながっているため、継続していく考えだ。
中川マネージャーは1月に滋賀県から転勤してきた。「岐阜県に赴任するのも、マネージャーという立場も初めてのこと。まずは県内市場、顧客、社員を知ることから始めていく。計画の達成を目指し、これまでの自分自身の経験を活かしながら、初心に帰って頑張っていきたい」と力を込めた。
三菱農機販売(株)中部支社(庄司聖志支社長)の東海直販部(所直貴部長)は、岐阜及び西濃営業所の2拠点で県内及びその他三重、滋賀、愛知等の他県にまたがるエリアを担当している。岐阜営業所の昨年4月~今年2月までの実績は前年並みで推移している。「昨年から顧客への訪問を中心に営業活動を行い、実績を積み上げてきた」と、岐阜営業所の熊澤勇樹所長は語った。
特に今年に入り担当エリアである本巣市を中心に近年まれに見る大雪に見舞われ、除雪機の需要が多くなった。「1メートルを超える積雪量は珍しい。除雪機の修理依頼が多く、また新車を購入する人もいた。例年雪が降るところではあるが、長い期間降ったため、2月中旬まで対応に追われた」という。
昨年7月の価格改定前の駆け込み需要は見られなかった。価格改定への顧客の反応が鈍くなっている。今欲しいものなら購入するが、必要な時にその時の金額で購入する人が増えている。「様々なモノの価格が上がっているため、価格改定への理解はあるが、購入するかどうかは別の話」と熊澤所長。
昨秋からの米価高騰による農機の動きへの影響は、今のところみられない。「農家の方々からは、米をいくらで売ったらよいかや、米がないから余っている人はいないかなど、農機とは関係のない問い合わせが来る」と、熊澤所長は笑う。
「肥料・農薬・燃料などの価格が上がり続けている中、やっと米の価格が上がったという声が聞かれる。この価格が続けば、今後農機の動きにも良い影響がみられるのでは」と期待する。
そこで注目されるのが新製品のXSトラクタだ。同機は、コンパクトで優れた基本性能により、誰でも簡単にきれいな耕うん作業ができるのが特徴。旋回性が向上し、ハウス内や狭い圃場でも効率的な作業が可能である。ロータリーがついており、用途に合わせて選べるのも魅力的だ。「20~25馬力クラスが、この地域では合っている。特徴を伝え、拡販していきたい」と、語った。
熊澤所長は今後の動きについて「対応の速さがカギとなる。素早い対応で顧客からの信頼を得、それぞれのニーズに合った提案をしていきたい」と、地域農業への貢献を目指す。









