各社の動き:スマート農機など拡販/2025春の北海道特集

北海道ノダ(株)の橘栄治会長は、4日に行われた北海道農機商組の定期総会をもって21年間務めた理事長の職を(株)砂田興産の砂田健児社長に引き継いだ。なお、総会は今年度事業などの議案を承認した。北海道ノダの昨年実績は、前半の農機の動きは鈍かったものの、秋が近づくに連れて持ち直し、前年を大きく超える結果となった。「お盆明けから米価が上がるという話が出てきて、最終的に2万円強まで上がっている」と橘会長。農家の持つ圃場面積が広い分、収入が1000万円以上も上振れすることも珍しくなく、税金対策のための購入もあった。好調の要因を「値上げで購入単価が上がっている。台数も維持できている。顧客の離農のピークが去って、離農が少ないことも1つの要因」と話す。
また、同社のある岩見沢は乾田直播が道内でも多い地域だと橘会長は言う。「麦の播種と同じ機械でできる。田植機は本当に売れなくなってきた」とも。一方、品種特性や食味等の問題で必ずしも全てに適するわけではないため、田植機が完全になくなることもないだろうとも述べている。
(株)菱農(筒井鉄也社長)の昨年実績は、前年並みとなった。「春先あまり動きが良くなく不安だったが、夏以降、米価の上昇ともに回復した。農家の設備投資は旺盛。しかし、対応できない製品もあり、春の落ち込みをカバーするまでには至らなかった」と筒井社長は述べた。「ポット成苗田植機は、強い寒冷地に適している農法で、長らくシェアを伸ばしてきたが、温暖化の影響で動きが鈍ってきている」と話す。それでも、同社のある沼田町はブランド米である雪中米ゆめぴりかの産地で、今までの栽培方式を維持する農家は多い。近隣のJAでは今年の仮渡金を先駆けて発表し、米の確保に向けた動きも出ているようだ。筒井社長は、北海道三菱農機会の会長職を20年近く務め、今年度をもって後進に譲る。
(株)北海道クボタの24年実績は、過去最高売上げの23年には及ばなかったが、22年並みを確保した。秋以降、コンバインを中心に、色彩選別機などの米関連商品が堅調に推移。そんな中、道信和彦社長は「トラクタのM7を増販できたことは大きな収穫だった」と振り返る。営業本部長指示のもと、昨年3月頃から2回に分けて、セールス向けにM7の研修を行い、製品機能の理解を深めた上で推進した。「人財教育」に力を入れ、研修会や関連メーカーの協力で31年続く内見会も実施。クバンランド製品においても、その成果が現れた。その他、アグリロボもトラ・コン・田が前年比で倍増。販促に力を入れたドローンも好調だった。
J―クレジットは利用にあたりKSAS加入が必須条件となっているため、結果的に加入件数のアップにもつながった。
展示会は食事の提供を除いて、通常開催。酪農の冷え込み等から上期は停滞気味だったが、米の収穫以降の展示会から需要が活性化し、目標を大幅に超過達成した。実演は、前述のM7とクバンランド製品を中心にPR。実演を実施した際、各自で記録を残して社内システムで共有し、活動を見える化した。「実演の様子が社内SNSにアップされると、大森広樹常務執行役員営業副本部長が的確なコメントをしてくれた。それを励みに社員の皆さんも頑張ってくれた」と道信社長。
ヤンマーアグリジャパン(株)北海道支社(小野哲也支社長)の24年度実績は昨年を上回る見込みである。特に水田地区での作業機関係は平均的に需要があった。加えて、米関連の調製機、乾燥機、籾すり機等の動きも良かった。
主要3機種では、トラクタが前年並み。酪畜は回復傾向にあるものの畑作も伸び悩み気味で、大型は思った通りの台数を伸ばせなかった。自脱型コンバインは良好で、昨年発売の新型135PSで台数を伸ばした。田植機はまずまずであったが、「この春に向けた受注も多く、実演からの成約も出てくる。今春以降に期待したい」と小野支社長。
昨年の展示会は通常通りに開催。秋は十勝や岩見沢で、複数拠点合同で行った。いずれも非常に盛況だった。「十勝は土・日開催であったことで家族連れが多く来場し、活気があった」と振り返る。実演もトラクタ+作業機や田植機、拠点ごとに春から秋にかけて行うミノスのディスクティラーなどを実施。また、直進アシスト機能が搭載された新型コンバインも大豆や稲作の栽培地域を中心にPRした。
スマート農機関連では、ロボットトラクタが安定して導入が進む。昨年はJA帯広かわにしでロボットトラクタ18台を導入する大型実証事業があるなど好調だった。一方、後付け自動操舵の伸びは落ち着いてきている。また、今年は野菜移植機で直進アシスト付きが発売、それを待望する声も多い。ドローンは極端な増減なく、安定的に増加。経営継続補助金で導入が進み、その更新需要も少しずつ出ている。
(株)ISEKI Japan北海道カンパニー(土屋勝社長)の昨年実績は、前年を上回った。主要3機種では、特にトラクタ、コンバインの動きが良かった。その他、乾燥機など米関連製品も好調だった。
「水稲農家は例年以上に収入が増えることがわかって、それなら秋物を買いたいというケースが目立った」と土屋社長は振り返る。また、機種によっては在庫不足が出て、納品を今年に持ち越している製品もある。一方で、田植機や輸入作業機は期待ほどの伸長はなかった。土屋社長は「田植機は更新するにも、移植にするのか、違うものを買うのか、迷われている農家さんは多いようだ」と話す。
展示会は春と秋を基本にして、水田地帯は夏にも実施。秋以降の開催では購入意思を持って来場する農家が増えた。一方、春から夏にかけて、水田地帯で伸びず、夏は盛況とはいえなかった。そのため、展示会に替えて個別実演を実施する拠点もあった。実演は主にトラクタと作業機を組み合わせてPRした。個別実演の流れは今年も継続予定だが、水田地帯に元気が戻っており、夏の展示会の開催も検討していく。
三菱農機販売(株)北海道支社(石我博人支社長)の24年度実績は、前年比2桁増となった。石我支社長は「トラ・コン・田の主要機は苦戦したものの、作業機や提携商品、サービス部品などが堅調に推移した」と話す。米関連製品は受注が増えた。また、作業機は、全く見通しのなかったKUSANAGIで実需につながった。また、モアなどの草刈り関係も昨年同様に伸長した。
主要機はトラクタは100PS以上のクラスに陰りがみられ、50PSクラスは大きな落ち込みはなかった。コンバインは自脱型でやや苦戦したが汎用は昨年並み。田植機も昨年並みとなった。「水田関係は少し持ち直した。ロータリーハローや畦塗機などは需要が戻ってきた感がある」(石我支社長)。実演はKUSANAGIのキャンペーンを積極的に開催し、需要の掘り起こしを行った。北海道では主力馬力帯ではない60PSで展開し、受注につなげた。石我支社長は「北海道全域で幅広く受け入れられた。一部、水田農家からの需要もあった。効率化や低コスト化に関心を示す中規模農家の方が多かった」と述べた。展示会は昨秋に帯広で実施。来場者も1000軒に上り、好評だった。中古農機も展示をし、実績につなげた。









