食と健康の国際シンポをWeb開催/農研機構

農研機構は24日、「第4回NARO食と健康の国際シンポジウム―未来を支える食と農のイノベーション:SDGs達成に向けた研究展開―」をWeb開催した。今回はSDGsをテーマに掲げて、持続的な食料生産に密接に関係する3つのSDGs目標を取り上げ、同機構や海外機関における取り組みについて情報交換を行うとともに、今後必要とされる取り組みをグローバルな視点で議論した。
開会挨拶した同機構の久間和生理事長は、世界は人口増や気候変動、地政学的リスクの増加によるサプライチェーンの混乱など食と健康をめぐる様々な課題に直面し、食料安全保障の重要性が増しており、SDGsはこれらを解決する国際社会の共通目標と説明。日米欧はSDGsに関連する政策を打ち出して持続可能な食料システム確立を推進、農研機構もSociety5・0実現を目指すとともにSDGsに寄与する研究開発と国際連携に取り組んでおり、今回はこうした取り組みを紹介するなどと語った。次いでオランダワーヘニンゲン大学研究センター学長のショーケ・ヘイモヴァーラ氏、フランス国立農業・食料・環境研究所理事長のフィリップ・モーガン氏、農林水産省農林水産技術会議事務局長の堺田輝也氏が挨拶。社会課題解決に向けた国際連携の重要性を強調し、本シンポジウム成功によるSDGs達成への寄与に期待を寄せた。
シンポジウムでは、東北大学理事副学長の小谷元子氏による基調講演「SDGs達成のための科学技術イノベーションにおける日本の役割」の後、SDGsの目標ごとに講演及び討論が3セッション行われた。
小谷氏は国連事務総長より任命された世界各国の有識者が集う「国連10人委員会」の委員を務めており、その活動としてSDGsのための科学技術イノベーション(STI)に関する国連機関タスクチーム(IATT)に対する助言などを行っていると説明し、SDGsのためのSTIに関する議論や、日本における取り組みなどを語った。日本では同STIと共通する考え方を持つSociety5・0が提唱され、その実現に向け、SIPやImpact、ムーンショットなどの国家による科学技術プロジェクトが設立、高収量や高温耐性を持つ品種開発や、食品ロス削減のための鮮度保持技術など様々な研究開発が進められていると紹介。SDGs達成には、国際連携が重要だとし、SDGsに向けた今後のSTIの課題として、▽イノベーションエコシステムの強化▽資金調達と制度的メカニズム▽ビッグデータとデジタル変革▽若者とジェンダーの包摂▽気候変動対策と海洋のためのSTI▽革新的なソリューションとデータに基づく意思決定―等を提示した。
また、セッション1ではSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成について、3名が講演。農研機構・飯泉仁之直氏は「気候変動が世界の作物生産に与える影響:アトリビューションと将来予測」を講演し、気候変動が作物の収穫量や変動に与える影響は既に判明されつつあり、単純な適応策だけでは被害を相殺できないことから、さらに大きな変革が必要と指摘。育種など時間がかかる技術開発を進めるためにも、緩和策が不可欠になると語った。









