各社の対応:スマート農機の実演強化/熊本県特集

(株)中九州クボタ(西山忠彦社長)の2024年実績は前年に対し横ばいであった。主要3機種は台数的には決して楽観できる状況ではなかったが、大型化が進んでおり、トラクタで60PS以上、コンバインで4条クラス、田植機は4条がメーンながら、6条以上も増加している。「農家1軒ずつが大規模化している。一方で、離農も進んでおり、販売台数減少、大型化の傾向」と内田信二常務は話す。
昨年の展示会開催は例年通り各拠点での実施と全社統一で2回開催。春先と秋に本社で開催し、好評だった。実演も積極的に実施。スマート農機を中心にGSや自動操舵とともにニーズに合わせて作業提案を行い、関心の高さを感じた。また、担い手を中心に地道な推進活動を継続的に実施した。
昨年夏以降続く米価上昇で、今年の栽培面積を増やすという稲作農家もみられ、購買意欲も高まっている。今年の出足はクボタ製品のみならず、乾燥機や色彩選別機、フレコンなど、米関連商品含め、需要は上々。「現状では米価も野菜価格も高いが、これが継続するかは不透明。それでも、離農を撤回し、もう少し続けてみようという農家が出ているのは確か」(内田常務)とも述べた。
今年の展示会は1~3月と夏に拠点ごとに実施予定。全社実演試乗展示会も含め行っていく。担い手に対しての接点活動は継続し、KSASやGS、自動操舵等のスマート農業関連を推進する。ドローンについては、更新需要を確実に押さえていきながら、中山間地の労力軽減を支えるべく、その地域でのドローン推進も進める考えだ。
アフターサービスは順調に拡大。点検活動から整備受注へつなげながら、サービスセンターでの入庫点検も行う。中古機も高い需要に応えるべく、買い取りを強化しながら、販売へのサイクルを回していく。
ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)南九州営業部における2024年実績は前年並みとなった。主要3機種は、コンバインが好調に推移し、トラクタと田植機は苦戦した。米価の上昇で、乾燥機や籾すり機は例年より突発的な需要がみられた。米価上昇の恩恵を受けた農家には、税金対策のため大型コンバインの更新をするケースもあった。一方で、「良かったのは米だけ。裏作の麦、大豆は良くなかった。そういう地域の特需は見込めていない」と熊本南部ブロックの松本秀和エリアマネージャーは振り返る。とはいえ、米や野菜の価格は良いので、このまま価格が維持されれば、今年は農機需要に期待したいと述べた。
昨年の展示会は春と夏に開催。加えて酪畜向けのトラクタや輸入作業機の展示会も実施。近年はそれが定着している。実演は各地域の特性に合わせた作業機を用意し、集落ごとに提案した。松本氏は「酪畜は依然として厳しいが、底は脱した。酪農家によっては機械投資も出てきている」と話す。
今年は3月決算に向け受注促進に注力している。「以前は補助事業頼みの側面が強かったが、補助事業が少なくなってきている。他方で、米価が上がっていることを踏まえて、今後は収量、品質を向上させる機械提案は顧客メリットが高い。レーザーレベラーや色彩選別機など推進していきたい」(松本氏)と述べた。
今年も実演や展示会で昨年の流れを継続しながら、担当地域の担い手を全て訪問して接点強化を図る。例えば、甘藷農家の集まる地域での栽培体系提案とともに自動操舵を推進するなど、地域特性に合わせて、きめ細かい推進を行っていく。スマート農業の知識やスキルの向上を図って提案力強化にも注力する。ドローンへの関心も高いため、そのニーズにも確実に対応すべく、点検整備の態勢も拡充している。
アフターサービスや中古機については、下取りから整備、販売の流れを速くし、在庫を滞留させないようにする。稲作地域と裏作のある地域では、整備需要が異なるため、農閑期地域の拠点に整備を回すなどの工夫もしながら、より効率的な対応を行っている。
(株)ISEKI Japan九州カンパニー(中谷清社長)中部営業部の昨年実績は前年比120%を超え好調に推移した。中でも井関製品が伸長。コンバインは米価上昇を背景に堅調だった。トラクタ、田植機を含めた主要3機種の販売台数はほぼ横ばいながら、高馬力帯の売れ行きが良く、売上高アップに貢献。加えて作業機などの関連商品も前年を超え、総合的に実績を拡大した。「大規模農家だけでなく、中小規模の個人農家でも馬力アップが進んだ。関連メーカーの皆さんのご助力にも感謝したい」と蔵野伸也部長は振り返った。
上期は2月のグランメッセ熊本で開催した展示会で下地をつくり、4月以降、推進で実績を積み重ね、米価決定以降はその波に乗った。11月にも中部営業部で中規模展示会を行い、突発的な購入に結びつけた。「生産者の中には、予想以上の収入となり、税金対策で購入するケースも見受けられた」と蔵野部長は話す。
今年も2月に展示会を開催し、会期中の実績で前年を上回った。今のところ、田植機が大小とも伸びている。実演は昨年、BFトラクタと自動操舵をセットで推進し、好評だった。今年も継続しながら、大規模農家に向けアピールしていく。
米以外の麦や大豆、ニンジン、サツマイモなども堅調。関連機械をPRしていく。乾田直播も昨年から一部農家の協力のもと普通作とWCSで試験栽培を開始。良好な結果を得ている。それを踏まえ、大規模農家へ提案も行っていく。
アフターサービスには、より一層力を入れる。人員増強や育成で、受け入れ態勢を強化。点検案内の送付などで周知活動を徹底することで、収益を伸ばしている。
三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)熊本管内の実績は昨年12月時点で前年比109%、計画比101%と好調に推移。
幸村義一支店長は「トラクタが好調。KUSANAGIも前年比400%の伸び。管理機や草刈機、作業機も良かった。一方、コンバイン、田植機が苦戦した」と振り返る。KUSANAGIのPRにはかなり注力し、ほとんどの実演を同機に費やした。JA熊本県経済連の夏の大展示会でもPRした。「社員が真面目に取り組んでくれたおかげで、よくカバーしてくれた」と話す。米価上昇で、11月以降、乾燥機や保冷庫などの受注が増加している。
今年の出足は、一部メーカーの商品が入ってこないことなどもあり、若干落ち込み気味。最小限のマイナスで抑えて、見通しのある3月で挽回していく。今年度の着地も計画達成の見込み。
KUSANAGIの実演は今後も継続し、単協の展示会でも漏れなくアピールし、興味をもった農家全てを実演につなげていく。また、25年度は新型のXPSのトラクタや田植機もPRしていく。
独自技術である紙マルチ田植機は、興味、関心をもつ農家をホームページで募って実演を行う。また、実機は阿蘇農業高校(現・阿蘇清峰高等学校)で使用されており、今度更新もされる予定。みどりの食料システム戦略が施行されて以降、興味を持つ農家が出てきている。また、ペースト施肥田植機も施肥機の装着率が上がってきている。肥料価格の高騰の影響は少ない。「ペーストの良さを理解して使ってくださる農家がほとんど。三菱の独自技術が時代の流れとともに評価されてきている」と幸村支店長は述べている。
アフターサービスは、内容を詳細に明示して請求し、一目瞭然でわかりやすく対応し、収益を確保していく。









