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令和7年3月24日発行 第3544号 掲載

地域内エコシステムの実証事業/躍進2025林業機械(10)

 一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会(酒井秀夫会長)はこのほど、令和6年度の林野庁補助事業「『地域内エコシステム』技術開発・実証事業」の成果を報告書にまとめ、ホームページにアップ、情報発信している。一般社団法人ゼロエミやまなしが取り組んだ「皆伐再造林と連動した枝条残材チップ製造・供給システムの開発」と(株)森の仲間たちが進めた「寒冷地に適した小型薪ボイラーシステムの開発(2)」の2つ。事業効果などを明らかにしている。
 令和6年度の「地域内エコシステム」技術開発・実証事業で一般社団法人ゼロエミやまなしが山梨県北杜市を事業実施場所として進めた取り組みは、「皆伐再造林と連動した林内枝条チップ製造・供給システム(フェーズ2)」だ。
 枝条のバイオマス活用を前提とした皆伐再造林システムの最適化と、地域内の小規模熱利用にも供することができる、安定的なチップ品質とコストの実現を目的としたこの実証事業では、次に6項目に取り組んだ。
 (1)レーザー測量による森林資源量の解析及び解析精度を検証する。
 (2)バイオマス利用を前提としてハーベスタ造材を実施し枝条集積の最適化等を調査実証する。
 (3)枝条集材オペレーションの効率化に向けて、グラップルフォークやバイオマスフォワーダの運用の方法と運搬効率を調査実証する。
 (4)車載型チッパー・コンテナ車適用によるチップ製造を実施し生産効率を検証する。
 (5)運搬車両を簡易改良し、燃料チップの品質向上について調査実証する。
 (6)チップ製造・供給原価を試算する。
 現場での調査・実証の結果、グラップルフォークやバイオマスフォワーダの運用では、林内における枝条の集材や運搬効率の向上、枝条残置率低減、枝条運搬量の定量化が期待できることを確認。また、車載型チッパーとコンテナ専用車の適用によりチッパーの稼働率及び生産効率が向上すると指摘。汎用性・実用性のある簡易スクリーン機構を開発しチップの品質向上にも寄与。製造原価としてキロ当たり19円以下の実現を目指した。
 一方、(株)森の仲間たちが事業者として取り組んだ「寒冷地に適した小型薪ボイラーシステムの開発(2)」は、欧州製の先進的な薪ボイラーと同水準の性能を有する燃焼技術開発を目指した。岐阜県大垣市と青森県五戸町を事業実施場所として開発を進めた。
 薪ボイラーの新しい普及の局面をつくることで、地域内分散型需要エコシステムを拡大し、地域内エコシステムをより増強していくことを目的に掲げる、この取り組みでは、(1)完全燃焼対策(2)ブリッジ対策(3)放熱対策の3つの開発を行い、青森県五戸町で寒冷地での実証を進めた。
 より完全性の高い燃焼の実現を目指した3つの対策を施して、(1)燃費向上により製品高を克服(2)欧州製の薪ボイラーと同等の魅力を有する製品により国内を維持・拡大、海外市場も視野に(3)国産で85%以上の効率を有する燃焼機器開発は業界の技術底上げ―を実現させる。これにより、大きな需要の見込まれる寒冷地での市場開拓が可能になるほか、開発ノウハウの水平展開並びに薪ボイラーによる木材需要開拓と地域内分散型エコシステムの構築が期待される。

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