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令和7年3月24日発行 第3544号 掲載

炭素貯留量の簡便算出法を開発/農研機構

 農研機構は12日、日本産業規格の分析値を活用して、バイオ炭の農地施用による炭素貯留量を簡便に算出する手法を開発したことを発表した。秋田県立大学、立命館大学、和歌山県工業技術センターとの共同研究によるもの。同手法により、原料の種類に関係なく炭素貯留量を簡便かつ正確に計算でき、バイオ炭の普及促進や炭素クレジット創出の効率化が期待されるとしている。
 バイオ炭は、バイオマスを燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350度C以上で加熱して作られた固形物。バイオ炭の施用による土壌の炭素貯留量の増加は、CO2削減のクレジット化の手段としても注目されているものの、これには土壌へ施用する炭素量に加え、炭素の固定効果を評価する必要がある。従来の土壌炭素貯留量の算出手法は、投入バイオ炭の重量、同バイオ炭の有機炭素含有率及び100年後の炭素残存率を用いて計算するが、用いる原料の種類や炭化温度によってこれらのデフォルト値が異なるほか、炭化温度が不明なものの場合はデータを取得するために元素分析などの測定が必要となり、時間と費用がかかっていた。
 その点について、今回開発した新手法では、元素分析を行う代わりに、石炭の品質評価に用いられる日本産業規格(JIS M 88126)を応用し、バイオ炭の工業分析値を用いて、炭化温度や農地施用による炭素貯留量を算出する。この手法のJISに基づく工業分析は日本国内の公的機関で実施可能であり、測定精度が確保されている。さらに、この算出式を原料ごとに研究機関等が作成・共有することで、バイオ炭の品質評価プロセスの効率化が進み、結果としてバイオ炭による炭素クレジット創出の効率化も期待される。
 農研機構は同手法は国内で未利用の農業残渣などを原料としたバイオ炭の評価だけでなく、アジア地域における多様なバイオマス資源への適用が期待されるとした。これにより、バイオ炭の施用が持続可能な資源循環や温室効果ガス削減の促進に一層寄与することが見込まれる。一方で、同手法は現時点では正式なクレジット計算方法として採用されていないため、今後、J―クレジット運営委員会への提案・議論を進めることが重要になるなどとしている。

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