広がる農の安全教育/農業技術革新フォーラム分科会

農研機構、経団連、日本農業法人協会は3月21日まで「農業技術革新・連携フォーラム2025」をオンラインで開催した(既報)。同フォーラムでは12日、分科会「農業の安全教育の現状と課題」をWeb開催し、事前に150人以上の視聴登録が集まった。
分科会では、▽農業者教育の推進に関する方針と施策(農林水産省農産局技術普及課生産資材対策室・土岐俊雄氏)▽農作業事故体験VRを活用した体験型教育について(全国共済農業協同組合連合会全国本部農業・地域活動支援部・和泉崇之氏)▽実機を用いた体感型教育((株)クボタ農機国内アフターマーケット事業推進部・稲垣勇一氏)―の3講演及び総合討議が行われた。
そのうち、稲垣氏はクボタの農作業安全教育の取り組みとして、(1)実機を用いた大型トラクタの死角体験(2)トラクタ傾斜角装置を用いた転倒角体験(3)ミニチュア農機を用いた模擬体験(4)VRゴーグル活用研修―などを紹介。北海道農作業安全運動推進本部のオホーツク地区本部が主催した研修会において、クボタ及び北海道クボタが実施した実機研修を紹介した。
(1)実機を用いた大型トラクタの死角体験では、135馬力の大型トラクタに実際に乗ってもらい、座席の前方及び左後方に設置した子供パネルがどの程度見えるか体験してもらった。これにより、予想以上に死角があることを確認してもらい、「もしこの死角に子供や孫がいたら」と想像をめぐらせ、見える範囲の予測と実測との差異を考察したという。この体験については、比較的準備するものが少なく手軽に行えると説明した。
また、(2)は小型トラクタがゆっくりと右側に傾斜するトラクタ傾斜角装置を用いて、傾斜角20度までを体験。7度あたりからシートから尻が浮く感覚を体験できるという。実作業においては作業機がついており、走行面の凹凸や加速度もあることから、傾斜角20度では実際に転倒するという危険をリアルに体験できるものとなっている。研修では「実作業において傾斜角20度は危険行為であり、常にシートベルト装着が必須である」と説明。また、ボンネットとトラクタ後方にスマホ角度計を設置し、体験角度をリアルタイムで目視可能にする工夫も施した。
その他、(3)全ての農機を準備することは難しいため、16分の1スケールのミニチュア農機を用いて、実際に起こったトラクタ横転事故を再現したり、(4)VRゴーグルを活用した乗用型トラクタ転倒の疑似体験などを行い、受講者により多くの事故事例をリアルに伝える研修を進めた。稲垣氏は農作業安全は農業経営の土台であるとし、グループ一丸となって今後も邁進していくとした。









