スマート農業の展開探る/日農機協が農業機械化フォーラム

一般社団法人日本農業機械化協会(菱沼義久会長)は14日、都内の馬事畜産会館で2024農業機械化フォーラム「スマート農業のこれまでの取組と今後の展開」を開催した。昨年のスマート農業技術活用促進法の施行により同技術の開発や普及が加速される素地が整い、同技術が今後より多くの地域かつ広範な面積での利活用へと展開していくにあたり、これまでの取り組み事例などを検証するとともに、今後の展開方向について検討した。菱沼会長は今後農業と食料安保を進めるにはスマート農業が必要だとし、データ駆動によって農業の経営や生産を変えていくイノベーションが起こるなどと展望した。
開会あいさつした菱沼会長はスマート農業はまさにこれからだと述べ、農業の担い手急減が確実である中で農業と食料安全保障をいかに進めていくのかが最大のテーマになるとし、そこでいよいよスマート農業の出番になると説明。スマート農業は単なる省力化機械ではなく、データ駆動により農業の経営や生産を全て変えていくイノベーションであると語り、期待を寄せた。
次いで来賓として農林水産省技術普及課生産資材対策室長・土佐竜一氏が挨拶。いつでも安く食料が手に入る時代が変わり、様々な環境変化に対応できるよう新しい基本計画を審議していると述べ、スマート農業もその重要な施策の1つであり、現場導入を後押ししていくなどと語った。
続いて講演に移り、ファーム・マネージメント・サポート代表で元農研機構理事の梅本雅氏が「スマート農業の展開と今後の展望」を基調講演。国内の人口動態と農業構造の変化、スマート農業に関する研究の推移を振り返った後、現在の普及状況について、データを活用する経営体が年々増加し、団体経営体では昨年62・7%に達したと説明。日本農業法人協会によると半数以上の法人がスマート農業技術を導入し、特に農薬・肥料散布や生産管理支援システムなど作業・営農支援の関連機器が導入されているほか、水稲作では大規模層でドローンの所有が増えているという。
これを踏まえて、今後の方向性は、省力化を図りつつ収量・品質を向上させると同時に、環境負荷も軽減させる・非熟練者でも効率作業ができる技術対応が求められると指摘。経営で求める効果をいかに達成するかという機器選択が重要になるとし、今後はスマート農機において▽さらなる知能化▽収穫以降の行程を改善する新たな仕組み▽労働安全の推進―などが求められるとともに、技術以外の部分においても農業全体の改善を図るべく▽新たな品種や作目構成、栽培用式、栽培方法の導入など生産方式の革新▽中山間地における圃場の大区画化―などが重要になると強調。スマート農業の推進と合わせて生産方式の革新を同時に実施することが求められるなどと語った。
次いでスマート農業実証事業に取り組む事例など話題提供として、農事組合法人神崎東部農場長・青野雄太氏による「発酵の里 こうざきにおけるスマート農業技術の導入事例」、岩見沢市情報政策課長・谷口正行氏による「産学官連携によるスマート農業の推進」、農業DX推進研究所所長・打田欽也氏による「衛星画像×AI分析で農作物をモニタリング」の3講演が行われた。
パネルディスカッションでは、講師に質疑応答を行った後、北海道大学大学院農学研究院長・教授・野口伸氏が「スマート農業のこれまでの取組と今後の展開」と題して自らの研究紹介を含めた総括コメントを述べた。









