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令和7年3月24日発行 第3544号 掲載

2025年の農政と農機関係の注目事業/クボタWEBセミナー

 (株)クボタ(北尾裕一社長)は5日、「2025年の農政と農業機械関係の注目事業」と題したWEBセミナーを開催した。同社機械統括本部兼担い手戦略推進室の半田淳氏が「改正食料・農業・農村基本法」の概要と「スマート農業技術活用促進法」の概要について説明。2025年の主要な農業機械関係の補助事業を紹介した。セミナー要旨は次の通り。
  ◇
 「食料・農業・農村基本法」は、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展を図ることを目的に、農政の基本理念と政策の方向性を規定しており、「農業の憲法」とも称されている。1999年の制定後、初の改正となり、日本の農業は大きな転換期を迎えている。
 今回の改正では、世界の食料需給、環境問題、日本の農業就業人口の減少などを背景に、基本理念を見直し、関連する基本的施策が定められた。
 国民一人ひとりの「食料安全保障」を基本理念の中心に据え、「環境と調和のとれた食料システム」を新たな基本理念に加えた。▽人口減少下における農業生産の方向性▽農村の地域コミュニティの維持▽「食料システム」の位置付けと関係者の役割―を明確化し、改正基本法に基づく食料・農業・農村基本計画を策定。
 基本法は具体的な規制や制度を定めるものではない。理念や施策の具体化は個別の法令に基づく制度や予算事業によって推進される。これから策定される基本計画や関連予算がより重要となることを留意しておきたい。
 今後注目すべき動きを6つ紹介する。
 (1)食料・農業・農村基本計画の策定(今年3月まで)。基本法の理念実現に向けた施策展開のプログラム、果樹振興基本計画等関連計画の改定。
 (2)各地における地域計画の策定(同)。今後、地域計画実現に向けた取り組みを強化。
 (3)合理的な価格形成に関する仕組みの法制化(今年度中の法案国会提出を予定)。合理的な費用を考慮した価格形成のため、認定団体による指標作成、関係者の努力義務などが検討されている。
 (4)土地改良法制の見直し(今年2月に国会提出済み)。基幹的用排水施設の更新手続きの簡素化など。
 (5)水田政策の見直し(2027年目途)。
 (6)環境関係交付金の見直し(同)。
 次に「スマート農業技術活用促進法」について説明する。農業者減少等の農業を取り巻く環境変化に対応して、農業の生産性向上を図るため、▽開発供給実施計画▽生産方式革新実施計画―の2つの認定制度を創設。
 「開発供給実施計画」とは、スマート農業技術等の開発及びその成果の普及に関する計画のことで、農業において特に必要性が高いと認められるスマート農業技術等の開発及び当該スマート農業技術等を活用した農業機械等またはスマート農業技術活用サービスの供給を一体的に行う。
 「生産方式革新実施計画」は、スマート農業技術の活用及びこれと併せて行う農産物の新たな生産方式の導入に関する計画で、スマート農業技術の活用と農産物の新たな生産方式の導入をセットにして相当規模で行い、農業の生産性を相当程度向上させる必要がある。
 ▽法律に金融、税制等のメリット措置が規定されている▽ポイント加算等の優先採択等の優遇措置が受けられる―といった計画の認定メリットがあり、生産方式革新実施計画を策定して農林水産大臣の認定を受ける必要がある。
 生産方式革新実施計画におけるスマート農業技術は次の(1)~(3)までに適合した技術と規定。
 (1)農業機械、農業用ソフトウエア、農業用の器具並びに農業用設備または農業用施設を構成する装置、建物及びその附属設備並びに構築物に組み込まれて活用されるものであること。
 (2)情報通信技術(電磁的記録として記録された情報を活用する場合に用いられるものに限る)を用いた技術であること。
 (3)農業を行うに当たって必要となる認知、予測、判断または動作に係る能力の全部または一部を代替し、補助し、または向上させることにより、農作業の効率化、農作業における身体の負担の軽減または農業の経営管理の合理化を通じて農業の生産性を相当程度向上させることに資するものであること。
 新たな生産方式の導入とは、スマート農業技術の性格、生産する農産物の特性等に応じて次の(1)から(3)までのいずれかに該当する生産方式の導入に取り組むものと規定されている。
 (1)スマート農業技術を活用した作業効率の向上に資する圃場の形状、栽培または飼養の方法、品種等の導入。
 (2)スマート農業技術の活用による機械化体系に適合した農産物の出荷方法の導入。
 (3)スマート農業技術で得られるデータの共有等を通じた有効な活用方法の導入。
 次に2025年の主要な農業機械関係の補助事業について。農業機械導入が可能な農林水産省補助事業のうち、一般の農業者でも取り組みやすい事業を3つ紹介する。
 1つ目は「スマート農業・農業支援サービス事業導入総合サポート緊急対策事業」。農業者の高齢化・減少が進む中で農業の持続的な発展を図るため、スマート農業技術の現場導入と生産・流通・販売方式の転換、これを支える農業支援サービス事業体の育成や活動の促進等の取り組みを総合的に支援する。
 スマート農業の普及に向けた100億円の大型予算であり、新規に開始する人だけでなく、すでに事業を行っている人もサービス拡大の目途であれば対象になる。
 農作業の受託は農業支援サービスの一種であり、個人の事業者にとっても取り組みやすい。▽専門作業受託(農作業受託)▽機械設備供給(リース・レンタル)▽人材供給▽データ分析―といった農業支援サービスがある。
 サービスに利用する農業機械は、スマート農機か否かにかかわらず半額補助で、スマート農機を導入する場合は補助上限がアップ(補助上限額は事業タイプ等により1500万円、3000万円、5000万円)。農業支援サービスに必要な農業機械と一体的に導入するセーフティローダー等の専用運搬車も補助対象。 なお、この事業は3月14日まで広域型の第2次公募が行われた。予算の執行状況によっては第3次以降の募集も想定される。地域型については各都道府県に問い合わせを。
 2つ目は「農地利用効率化等支援交付金」。事業要望調査の、国への提出期限は過ぎたが、来年度以降の申請準備の参考に説明する。
 地域計画の早期実現に向けて、地域の中核となる担い手が経営改善に取り組む場合に必要な農業用機械・施設の導入を支援するとともに、農地引受力の向上等に取り組む場合の支援を充実させる。個人経営者も活用でき、トラクタ、田植機、コンバイン等全ての農業機械が対象。補助上限は、地域農業構造転換支援タイプが1500万円。融資主体支援タイプが300万円(目標年度の経営面積により600万円)。
 3つ目は「新規就農者総合対策のうち経営発展支援事業」。49歳以下で新規就農する人の就農後の農業機械等への初期投資の取り組みを支援する。全ての農業機械が対象で、本人負担は4分の1(国2分の1、県4分の1、本人4分の1)。本人負担分について金融機関からの融資を受けていること。国費上限500万円(経営開始資金交付対象者は250万円、地域計画早期実現支援枠は600万円)。
 このセミナーのアーカイブ配信視聴はこちら。 https://agriculture.kubota.co.jp/event/webinar/20250305-nousei/archive.html

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