直進田植機が有効~スマート農業情報交換会から/田植機・育苗関連機器特集

スマート農業推進協議会及び農研機構九州沖縄農業研究センターは1月16日、佐賀県神埼市の(有)アグリベースにいやまなどでスマート農業推進協議会第5回情報交換会及び暖地二毛作水田における周年スマート化実地勉強会を開催した(一部Web併催)。同センター及び同社などが「アグリベースにいやまスマート農業実証コンソーシアム」として取り組んだ令和元年度スマート農業実証プロジェクトの成果などを報告したほか、スマート農機の実演も行われた。久留米シティプラザで行われた情報交換会では、農研機構によるスマート農業推進協議会及びスマート農業施設供用プロジェクトの説明、農林水産省によるスマート農業推進施策の説明が行われたほか、▽スマート農業の経済性評価とスマート農業導入支援サービスの推進(ファーム・マネジメント・サポート代表・梅本雅氏)▽スタートアップ都市福岡市から生まれる新しいスマート農業技術のご紹介(福岡市農林水産局政策企画課・高林悠氏、Carbon Xtract(株)、(株)アイナックシステム、SACMOTs)▽ファームチャットを活用した農業データ連携の実践について~農業版生成AIの有効活用~((株)ファーム・アライアンス・マネジメント・小林和敬氏)―の3講演が行われた。ここでは、梅本氏の講演概要の一部をみる。梅本氏はスマート農業の経済性評価と、導入支援サービスの推進について紹介した。前者は令和元年度からこれまで全国217地区で実証を行っているスマート農業実証プロジェクトの成果を取りまとめて報告。スマート農機による作業別の省力効果については、ロボットトラクタの協調作業による省力化(労働時間削減)は30%前後になり、直進アシスト田植機は同11%程度と、自動操舵機能でも一定の省力化を実現した。また、自動水管理システムは約7割減と大幅な削減率をみせた。これを稲作経営全体でみると、スマート農業技術導入による稲作労働時間と稲作収量の変化をみたとき、各実証地区における稲作労働時間は平均9%削減、水稲単収は平均9%増加(各農場平均)となった。さらに実証地区の約3割において、10%以上の労働時間の削減効果が得られたという。また、単収増加は、センシングデータ等に基づく可変施肥や、それに加えて品種構成・施肥設計を改善した地区において顕著に現れたとした。また、スマート実証事業参画前後における法人経営、個人経営の利益・所得の変化をみると、実証経営の実証前(平成30年)から実証後(令和3年)にかけての経営収支の変化では、法人経営、個人経営とも収入、利益、所得は増加している。導入事例先から寄せられたスマート農業導入の効果についてみると、(1)圃場別収量データの活用等により水稲単収と収入増加を達成(2)スマート農機の導入と合わせた栽培改善・圃場の面的集約により、労働力を増加させることなく規模拡大・収入増加を実現―などがあげられた。このうち、(1)について詳細をみると、同経営では2000年以降規模拡大が進み、圃場枚数も増える中、100ヘクタールを超える頃から水稲単収が低下し、大きな問題になっていた。そこでスマート農業実証事業に参画して省力化を進めるとともに、収量コンバインを導入して圃場別収量データを取得。それらのデータと栽培支援システムを活用し、圃場別に品種や作型を再配置し、可変施肥により低収圃場の増肥やメッシュマップに基づく可変施肥を実施した。また、大区画圃場では作業負担が大きいため追肥は省略されてきたが、ドローンを用いて、生育状況に応じた追肥に変更した。これらの取り組みの結果、水稲収量は再び増加。令和2年には、規模拡大と合わせ、水稲の総生産量は33%増大を達成した。また、(2)の事例では平成30年に県の農地集積事業に参画。農地流動化が進む状況にあったこともあり、経営面積は30年の32ヘクタールから令和3年には106ヘクタールまで拡大した。このような状況のもとでスマート農業実証事業に参加し、ロボットトラクタ、自動運転田植機、直線キープ田植機、営農支援システム等を活用し、省力化と、熟練していない従業員の作業能率向上を図ることを計画。規模拡大が進む中で、労働力数は4人から5人へと1名の増加のみで約70ヘクタールの規模拡大に対応したところ、規模拡大に伴い売上高は大きく増加した。水稲の収量は、コシヒカリは低下しているが、あきたこまちは、面積拡大にもかかわらず増加した。さらにスマート農機の導入に加え、水稲湛水直播栽培の面積増加、農地の集約化、自動運転田植機等の自動操舵機能を活用した若い従業員の技能の向上、品種・作型配置の見直しなど栽培面、圃場条件面での改善も併せて実施できた。









