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令和7年3月17日発行 第3543号 掲載

機会除草で有機農法拡大/田植機・育苗関連機器特集

 農研機構農業機械研究部門は7日、埼玉県さいたま市の農機研で開いた令和6年度農業機械技術クラスター総会で、両正条田植機を公開・展示した。
 両正条田植機と直交機械除草技術は、水稲有機栽培を対象としたもの。田植機の作業方向と直交する方向にも苗を整列して移植し、株間にも効果的な除草を行う直交機械除草技術を提案するとともに、この除草方法を可能とするポット苗両正条田植機をみのる産業(株)と共同開発(開発目標:植付位置精度±3センチ以内)した。さらに、田植機車体が共通であるマット苗両正条田植機の試作機を製作した。
 農林水産省が策定したみどりの食料システム戦略では2050年までに有機農の取り組み面積を100万ヘクタールに拡大する目標が掲げられている。現状の有機農業取組面積が2・5万ヘクタール程度であることから、大幅な拡大が必要である。面積拡大における課題の1つが雑草防除であり、栽培面積が大きな水稲において効率的な雑草防除技術を確立することが重要である。
 雑草防除技術としては、主に機械除草が使用されている。しかし、除草ロータが効果的に作用する条間に対して、稲株への損傷回避のために補助的なレーキ等を使わざるを得ない株間では除草効果が低いことが課題となっている。雑草量の多い圃場では取り残した雑草を手取りする必要があり、面積拡大の阻害要因となっている。
 そこで、株間でも効果的な除草が可能な直交機械除草体系を提案するとともに、これを実現する両正条田植機の開発を行っている。両正条田植機は田植機の作業方向と直交する方向にも苗を整列させ、圃場全体で基盤目状に苗を移植できる田植機である。これにより、機械除草機が田植機の作業方向だけでなく、その直交方向にも作業可能となり、株間の除草効果向上が期待できる。両正条田植機の開発では機械除草機の除草ロータと苗の接触を避けるため、植付位置精度±3センチ以内を開発目標とした。
 クラスター事業において、みのる産業(株)と共同でポット苗両正条田植機の開発を行った。試作ベース機のポット苗田植機(RXG800D)は、株間を変更できるHST(油圧無段変速機構)を具備している。RTK―GNSS受信機から取得する測位情報を基に、植付爪が目標角度となるようにHSTの変速比を調整し、意図した位置に苗を移植する両正条制御技術を開発し、受信機と共に試作機に搭載した。附属農場で行った植付位置精度試験では目標値を達成することを確認した。
 また、ポット苗両正条田植機の開発と平行して、両正条田植機の直交機械除草技術の実証用に、ポット苗田植機と車体が共通であるクボタ社製マット苗田植機をベースに、マット苗正条田植機の試作機を製作した。マット苗試作機でも目標とする植付位置精度に達しており、全国各地で実施している直交機械除草技術の実証試験で使用されている。

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