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令和7年3月17日発行 第3543号 掲載

滋賀各社の対応:大規模そうにアピール/滋賀・京都特集

 (株)北陸近畿クボタ(久保力社長)は、2024年1~12月の製品販売状況について、乾燥機、籾すり機、色彩選別機といった稲作関連機器の売上げが伸長した。24年の米価高騰に伴い、個人農家が消費者に米を直接販売するケースも増え、米の品質をより重視するようになった。そのため前述の機器のなかでも色彩選別機の荷動きが際立った。
 トラクタ、コンバイン、田植機については23年度に比べてそれぞれ台数ベースで小型が微減、一方、大規模担い手向けの大型の荷動きが活発化し、金額ベースでは増となった。滋賀営業部の上野文也部長は「地域にもよるが、今後、大きな営農組合も大規模担い手に作業を委託する事例が増えると思う。このような担い手にしっかりとアプローチしたい」と力を込める。現在、トラクタは60馬力、田植機は8条植え、コンバインは4、6条刈といったクラスが県管内の主流となっている。
 大規模担い手が農機の投資に当たり注視するのが補助金だ。補助金関連の情報をいかに早く担い手に提供するか、そこが営業の要となる。他県の営業部と同じく、滋賀営業部も本社のソリューション推進部と連携して最新の情報を入手し、担い手との迅速な情報共有を図っている。
 また、24年にはRTK基地局を安曇川、湖北、湖東、湖南、甲賀と5つの営業所に開設。これにより導入が進むGS機(直進アシスト機能搭載)、アグリロボ、ドローンの精密作業を実現している。
 滋賀第一ブロック担当の黒丸弘幸部長は「これから基地局開設の効果が出ると思う。正確な位置を保った散布作業が自動操舵で可能なため、今はドローンの契約が進んでいる」と手応えを話す。滋賀第二ブロック担当の山本由朗部長は「基地局に絡めて、トラクタはGS仕様の新製品を含めた『REXIA(レクシア・60~105馬力)』もしっかり提案したい」と話す。
 今年はトラクタ「SL600(60馬力)」及び田植機「NW80S―PF(8条植え)」に後付けの自動操舵装置を付け、滋賀県のスペシャル機として各営業所で実演していく。また、今年で8年目となる三位一体活動(クボタ、クボタアグリサービス、北陸近畿クボタとの連携)を通じ、より一層のスマート農機の推進に注力していく。
 ヤンマーアグリジャパン(株)中部近畿支社(山崎有支社長)の滋賀管内は、農機の販売について23年4~9月(上期)までは苦戦を強いられた。しかし同年8月頃、早場米の地域から「米の買取価格が上がるのでは」という風聞も手伝い、特に大規模農家の購買意欲は高まりつつあった。この流れで10月から農機の販売状況は好転の動きをみせ、12月には落ち着いた。
 滋賀県を統括する近畿営業部の宮本敏一部長は「米価の上昇がいかに農機の投資意欲に火をつけるかがわかる。しかし、米の値段は上がれど、農機の投資に至らない農家の方がいらっしゃるのも事実」と厳しい現状を話す。
 このような状況のもと、24年4~12月における主要3機種の荷動きは計画には至らなかった。一方、トラクタは25年3月までの通期でみると、24年並みに盛り返すと見込む。トラクタは50、60馬力、田植機は6、8条植え、コンバインは4条刈以上といったところが県内の主流となっている。
 これからは3月1日に発売したセル搭載のラジコン草刈機「YW500RC'AE」の拡販にも注力する。23年に発売の「YW500RC」も好調な荷動きをみせるなか、セル搭載の新製品は送信機からエンジンを始動でき、まさに誰もが操作しやすい草刈機であり、注目を集めている。宮本部長は「お客様からも評価が良い」と力を込める。また圃場を選ばないと好評のディスクロータリー「YDP802(適応馬力:50~120)」の実演をWebで受け付けており、これの拡販にも注力している。
 イベントは2月14~15日に湖東(東近江市)、21~22日に湖西(大津市)と湖南(守山市)の3支店にて展示会を開催。続けて3月7~8日には湖北(長浜市)と長浜(同)支店にて展示会を開催した。展示会では4月からの製品価格改定の告知も含めて、地域に適したトラクタ「YTシリーズ」及び田植機を軸に、ロータリー、あぜ塗り機、代かき機、播種機といった春商品の提案を果敢に行った。
 (株)ISEKI Japan 関西中部カンパニー(南孝明社長)では昨年、県管内で小・中規模の著しい離農が進むなか、米価高騰という吉報もこれら農家には響かず、厳しい年となった。
 米価高騰の前から各農機メーカーの製品や生産資材の高騰が続いたこともあり、「米価が上がったところで…」という声が多い。このような状況のもと、24年1~12月の販売については、23年の同時期に比べてトラクタが前年並み、田植機とコンバインは減となった(台数ベース)。
 一方、滋賀県発の「みずかがみ」や「きらみずき」といった品種の刈り取り時期が今や猛暑の8月中旬と前倒しになるなか、キャビン付きのコンバインが展示会で例年の5倍売れる動きもあった。また、田植機「さなえPRJ8(8条植え)」が右肩上がりで好調な売れ行きをみせている。
 コンバインは廉価なHFRシリーズの4042(4条刈/42・1馬力)と4050(4条刈/50・3馬力)が好評を博しており、引き続き推進していく。滋賀営業部の養覚敏哉部長は「これらコンバインには立体のエンブレムといった贅沢品は付いてません。しかしシンプルかつコンパクトで基本装備が充実している。中規模の営農組合といった層に価格面でのニーズに合致しているのでは」と期待する。
 大規模担い手への対応については、新たに設置した同社の大規模企画室にて、改めて「大規模農家とは」を定義して、これに当てはまる農家に狙いうちで提案活動を行う。また、要望の多いトラクタ、コンバイン、田植機の中古機が市場に出回らず、販売が難しいなか、この点は他県の営業所と情報共有をしながら対応していく構えだ。
 イベントは2月14日に「アグリジャパンフェスタin滋賀」を彦根市内で、3月7~8日には「春の大展示会」を同社の竜王センター(滋賀県蒲生郡)にて開催。トラクタ「BFシリーズ」やフルモデルチェンジした「アイガモロボ IGAM2」、後付自動操舵装置「CHCNAV」、「ラジコンスパイダーモア」などをPRした。
 今後の動きについて「新設の大規模企画室を通じてメーカーとしての存在感をいかにアピールできるか。ここが肝となる。引き続き省力化と高効率につながる提案を地道に行いたい」と養覚部長は力を込める。
 滋賀三菱農機販売(株)(福永昌由社長)は、24年度(1~12月)の販売状況について、23年度に比べてトラクタ及びコンバインは微減、田植機は増となった(金額ベース)。一方、乗用の管理機など防除機が192%、自走式草刈機やラジコン草刈機など、草刈り関連機械が155%と、それぞれ金額ベースで売上げが伸長した。
 昨年は米価高騰の影響もあり、県管内の顧客の農機投資マインドも上がった。これを受け、同社と滋賀県三菱農機会が毎年10月に開催する恒例イベント「滋賀ダイヤモンドフェ2024」では例年以上の賑わいをみせ、イベントの売上げは23年を上回った。一方、水稲のほか大豆も生産する大規模農家にとっては、10~12月にかけて収穫する白大豆が凶作となり、米価高騰を手放しで喜べない状況にもなった。
 主要3機種における今年度の販売の見通しについて福永社長は「24年と比較して少し厳しくなりそう。弊社管内では農地集積の動きが止まったように思う。しかし、離農がどんどん進む状況のもと、大規模農家や集落営農の合併が再び進むかもしれない」と話す。
 これまで点在していた農家(顧客)が大規模農家に吸収されることで、補助事業に合致した農機や省力化に直結する農機の提案、俊敏なアフターサービスがこれまで以上に要求されるようになる。福永社長は「このような提案とサービスをより強化して活動していく」と力を込める。
 具体的には、業界最高速の植え付けスピードを誇る田植機「XPS(クロスピーエス)シリーズ(6、8条植え)」や、耕うん作業を高速で行う高効率作業機のディスクハロー「KUSANAGI」など、今注目を集めている三菱マヒンドラ製品を地道に実演し、拡販を図る。
 また、小規模農家にはハウス内や果樹園でも使える新製品のトラクタ「X(クロス)Sシリーズ(18、20、23、25馬力)」をPRする。今後は、三菱マヒンドラ農機が上市する予定のトラクタ「XSシリーズ」の追加仕様、第2弾の「KUSANAGI」の拡販にも注力する。「トラクタはフルクロ仕様も作業機と合わせてしっかりと推進していきたい」と福永社長は意気込む。

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