ヤンマーがツール開発/都市農業DX推進コンソーシアムがシンポジウム開催

明治大学特定課題研究ユニット都市農業研究所並びに都市農業DX推進コンソーシアム(研究代表機関:明治大学)は2月28日、神奈川県川崎市の明治大学生田キャンパス及びWebにて、公開シンポジウム「都市農業を支えるスマート技術とコミュニティ」を開催した。農林水産省令和3年度補正「戦略的スマート農業技術等の開発・改良」事業で行った研究成果を報告したもの。
第1部は「都市農業DXに適するスマート技術の開発」と題して、スマホ、スマートグラス、ドローンを活用した画像認識による情報収集と作業支援の技術について紹介。ヤンマーホールディングス(株)技術本部技術戦略部の宮内俊輔、山屋裕紀、近藤拓也、宮崎智子の各氏は「画像認識による情報取得、作業支援―都市農業向けスマート農業ツールの開発と効果検証」と題して講演した。
宮内氏らはヤンマーグループ全体の概要に触れたのち、同社もアグリ事業で取り組んでいるスマート農業について説明。農業をめぐる様々な課題を解決する方策として期待が高まるスマート農業だが、都市農業に適した技術は多くないと指摘。それを踏まえて、同社が参画した農林水産省委託事業の研究課題「ネットワークコミュニティーを活用したDX推進による都市農業振興と人材育成」において、都市農業向けスマート農業ツールとして、スマートグラスを用いた農作業支援システム「営農スマートガイド」の開発と、その効果検証に取り組んだ旨を紹介した。
営農スマートガイドはスマートグラスまたはスマホを用いて農業現場にてそのまま使える作業ガイド。身に着けて作業するだけで、現場の判断や記録・共有をサポートしてくれるもので、初心者や未習熟者、国籍・言語を問わず同水準の作業実施を支援する。▽判断に迷わず収穫作業を可能にする「熟度判定」▽見た目で判断が難しい出荷・選別作業を支援する「形状推定」▽生育状況をらくらく記録するデータマッピング―などの機能を有し、作業支援のほか、グラス装着者が目にしたものを記録していくセンサーとしても活用できる。対象作物はトマトやイチゴなどで、順次拡大しているという。ナスやブドウ、梨、イチゴにおける選別支援や収穫支援、収量予測などに対応するAIシステムを開発し、梨の熟度判定試験では品種別にモデルを作成することで、正答率の向上を確認できたとした。また、自動撮影画像からナスの花数推定を行った検証では、花数は16・2%の平均誤差など一定の成果を得たという。
宮内氏らはこれらのシステムの利点を活かす利用方法を考案することで、都市農業の現場での省力化や自動化を図ることができ、将来の都市農業DXにつながるのではないかなどと提案した。
その他、第一部では日本大学の梅田大樹氏、川越義則氏による「ドローン空撮画像の活用」、明治大学の岩崎泰永氏による「環境情報・生育情報の収集と解析」―の講演が行われた。









