農作業安全テーマにセミナー/農業食料工学会農機部会

一般社団法人農業食料工学会(飯田訓久会長)は5日、埼玉県さいたま市の農研機構農業機械研究部門(農機研)研究交流センター2階「はなの木ホール」で、農業機械部会セミナー「農作業安全の現状、そしてこれからを考える」を開催した。農作業安全をテーマに掲げ、農作業事故の実態や農作業安全の考え方、ロボット農機における安全などについて議論したもの。午前には同会場にて、VRによる農作業事故体験会も開催された。
開催にあたり、挨拶した飯田会長は、自身も農地を草刈りしている時につい横着をしてヒヤリとすることがよくあると語り、使用機械が小さいため何とか制御できるものの、少し大きな機械になるとヒヤリとした時には大きなケガをすることがあるとし、安全はとても重要だと述べた。そのうえで、どうやったら事故を防げるかについて様々な決め事を定めていくのも農業機械や農作業にとって必要なことであり、本日はその一歩となるような有意義な時間にしたいと期待を寄せた。
また、農機研の長崎裕司所長は農作業安全は農機研の取り組みの重要な柱であると説明。農作業死亡時故のうち農業機械によるものが3分の2と高い割合を占めていることを踏まえ、農業機械そのものの安全性を高めるとともに、農業者への安全研修強化も重要になるなどと挨拶した。
続いて、▽共済金支払データに基づく農作業事故分析について(全国共済農業協同組合連合会・和泉崇之氏)▽農作業安全の現状と新技術への対応(農研機構農業機械研究部門・志藤博克氏)▽農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドラインのご紹介(農林水産省農産局・皆川啓子氏)▽クボタのロボット農機の安全システムについて((株)クボタ・林壮太郎氏)▽人とロボットの協調安全の実現に向けた課題(産業技術総合研究所・中坊嘉宏氏)―の5講演及び総合討議を実施。
このうち志藤氏は令和7年度から刷新する農研機構の安全性検査について紹介。同検査には(1)安全装備検査(2)安全キャブ・フレーム検査(3)ロボット・自動化農機検査があり、(3)はロボット(対象:乗用トラクタ、田植機、自脱型コンバイン)と自動化農機(自動操舵機能有り。対象:同)に分かれる。このうち事故が多い乗用トラクタに対する強化として、7年度よりシートベルトリマインダ、インターロック装置、インテンション装置の装備化が適用されるなどと示した。
一方、林氏はクボタのロボット農機と各農機に搭載する安全システムについて紹介。同社のロボット農機については、自動化レベル1~2まで普及が進んでおり、トラ・コン・田の主要3機種全てでレベル2の目視監視・無人運転可能なロボット農機が販売されている。各農機に搭載される安全システムは、農機側で異常を判断して停止する4つの機能(転倒防止など)、人による監視機能(外部操作リモコンなど)、人・障害物センサー―などを示した。そのうえで、今後の展望として、自動化レベル3の遠隔監視による自動走行(圃場内限定)をあげ、そのためにセキュアな通信や人・障害物センサーの高度化、遠隔地における視認性確保などが必要とし、今後も自動化レベル3実現に向けて進めていくなどと語った。









