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令和7年3月17日発行 第3543号 掲載

畑作での有機物活用/関東農政局がみどり戦略勉強会

 関東農政局は2月26日、みどりの食料システム戦略勉強会(第28回)をオンラインで開催した。これは、同農政局が同戦略に関係するテーマについて毎月開催しているもので、1~3月のテーマは「役に立つ!有機農業の栽培技術」。その2回目となる今回は、公益財団法人自然農法国際研究開発センター理事の榊原健太朗氏が登壇し、野菜有機栽培における有機物活用技術について解説した。
 榊原氏は最初に野菜有機栽培の技術的視点として「有機栽培は農薬に頼らないため、病気や害虫、雑草対策などに目がいきがちだが、それは野菜が健康に育っていない結果であるととらえ、まずは健康に育てることに注力すべきだ」と強調。そして、▽有機物の害がなく、雑草と共生できるくらいの地力を確保すること▽良い種を良い土に適期に作付けて、初期生育を確保すること▽各技術を有機的に連動させ、生態系を整える栽培体系をつくること―を意識し、農薬を我慢するのではなく、農薬が必要ない状態を目指すことが重要であると述べた。
 また、有機栽培向けの品種育成として、自然生え育種法を紹介。これは、畑の隅などに自生する野菜の生育が旺盛になる場合があることから、農地環境や栽培方法に合った強勢な株が自然選抜される状況を活用するもので、畑や野菜の観察を日常的に続けることが、栽培の様々なヒントにつながるとした。
 続いて、収穫残渣などの有機物分解には、土壌の温度・水分・酸素・養分を考慮する必要があるとし、雑草の生え方などから畑の条件を把握することや、土壌生物を意識して植え付け時期を考えることが重要であると指摘。具体的な植え付け時期については、夏野菜は種まき・苗植えが少々遅れても構わないが、秋作の場合は適期に植え付けて生育期間を確保することが望ましいとアドバイスした。
 さらに有機物の施用では、時間・場所・種類(熟度)・量がポイントになるとし、植物の根の付近に無理に有機物をすき込まないようにすることや、未熟な有機物をすき込む場合は、冬場であれば定植の90日以上前に、夏場でも40日以上前に行うことを推奨した。
 前後作を考えた有機物管理技術については、(1)すき込んだ堆肥や有機肥料のみでなく、前作の収穫残渣や雑草を含む有機物を十分に分解させ、地力を維持し、有機物の害をなくしてから作付ける(2)前前作終了から次作植え付けまでに十分な時間が取れない場合は、収穫残渣を分解させる層と苗の根張部分を分けることにより、有機物分解の障害リスクを回避しつつ、地力を循環・維持増進できる(3)収穫残渣の表層すき込みは、分解層を形成し、有機物に富み、土壌生物活性が高いため、抑草効果が期待できる(4)株周りの初期除草は徹底する―などをポイントとしてあげた。
 そして、地力がある程度上がってきたら、全面耕うんではなく、緑肥や作物の連続栽培、混作、草生、表層施用、有機物マルチも含めて、農地生態系の安定を維持する管理へと移行することを勧めたうえで、刈敷を含めた草生栽培では、地温や土壌水分の安定、抑草、病虫害抑制など、様々な効果が期待できることを示した。

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