米の輸出額120億円/農林水産省・農産物の輸出拡大に向けて(下)

2024年の農産物・食品の輸出額は、初めて1兆5000億円を突破した。順調な増加を続けているが、国の輸出額目標(2025年までに2兆円、2030年までに5兆円)を達成するためには、さらなる取り組みが不可欠だ。農林水産省は海外市場で稼ぐ力を強化するため、現在、オールジャパンで、供給力の向上と需要の拡大を目指している。同省の資料から、前回は供給力向上の取り組みについてみたので、今回は米の輸出を軸に、需要拡大の動向をみる。日本の人口は、2010年の1億2806万人をピークに減少局面に入っており、2070年には8700万人にまで減少すると予測されている。また、年間1人当たりの米の消費量は1962年以降減少を続け、2023年には51・1キロと、60年前の半分以下に落ち込んでいる。このような人口動態や米の消費量減少を背景に、我が国の米の年間需要量は、毎年約10万トンずつ減少し続けている。一方、海外の日本食レストランの店舗数は、2021年に約15万9000店だったのが、2023年には約18万7000店となり、増加傾向にある。地域別にみると、アジアが最も多く12万2000店で、2021年から約2割増加している。北米が2万8600店、欧州が1万6200店、中南米が1万2900店、ロシアが3200店などとなっており、このうち中南米では2021年の6100店から約2倍に増えた。このようなことから、日本食のマーケットが、世界的な広がりをみせていることがうかがえる。日本食マーケットの広がりを背景に、近年、米の輸出も大きく増加している。2024年の米輸出額は120億円(対前年比28%増)、輸出数量は4万5112トン(同21%増)となり、直近5年間の輸出金額は約2・6倍に増加した。地域別にみると、アジア向けだけでなく、北米向けや欧州向けの輸出実績が大きく増加。2019年と2024年の輸出金額を比較すると、アジアは33億3500万円から65億6400万円と約2倍に、北米は5億9400万円から30億7200万円と約5・2倍に、欧州は3億9800万円から14億2600万円と約3・6倍に伸びている。さらに、これまで輸出実績がなかった(あるいは少なかった)国・地域への輸出に取り組む事業者も現れており、中東では2019年に3700万円ほどだった輸出額が、2024年には3億2700万円となり、約8・8倍に増加するなど、新たな地域に米市場が広がっていることがわかる。この要因の1つとして、米・米加工品の生産・流通を生業とする幅広い関係者が産地と連携し、新たな海外需要開拓を図ってきたことがあげられるだろう。その影響で、日本食レストランとともに増加したのが、おにぎり店だ。日本産米で作ったおにぎりは、冷めてもやわらかさと粘りがあり、米そのものの美味しさを伝えることができる商品。テイクアウトが可能で手軽に食べられ、外食に比べて価格も安いことから、近年、海外でも人気が出ているという。Content-Disposition: form-data; name="Submit4"









