広域通信で2台同時作業/諸岡が検討会

(株)諸岡(諸岡昇社長・茨城県龍ケ崎市庄兵衛新田町358)は2月27日、茨城県常陸太田市町屋町の国有林内で、国の開発事業で取り組んでいる「フォワーダ集材作業の労働課題を解決する自律走行マルチオペレーション技術の開発」の第3回検討委員会を実施した。自動運転システムと車両制御システムを装備した自律走行フォワーダは新たな段階に進み、より大量に迅速に材を運び出すため、2台編成で作業に当たり、林内の通信手段もより広域に対応できるものへ進化している。
当日は検討委員をはじめ、林野庁関係者、茨城県森林管理署、茨城県の関係者らが参加した。システムの開発には、同社のほか、パナソニックアドバンストテクノロジー(株)(担当は松井敦司課長)、(株)国際電気通信基礎技術研究所(同・近藤良久担当部長)、森林総合研究所、東京農工大学が当たっている。
昨年度までは、安定した自動走行、安定かつ低遅延のWiFi、障害物・路面形状の認識アルゴリズム―を開発し、今年度はさらに複数台のフォワーダを自動走行させるマルチオペレーションシステム構築の段階に進んでいる。会場では2台のフォワーダを同時に走行させ、大量・迅速搬送のニーズに応えるもようを披露。また、前後進ともに安全に走行し、循環経路ではない一般的な作業形態にも対応できる(後進で作業道を上り、材積載後に前進で走行)能力を示した。
安全走行の面では、障害物検出に基づく車両の減速・停止機能、路面形状認識に基づく減速・停止機能(崖や走行が危険な状況を認識して走行可能な車線を安全に走る)を装備。これらの機能により、土場でグラップルに乗ったオペレータがタブレットを操作しフォワーダを先山に自動走行、先山でプロセッサに乗ったオペレータがリモコンでフォワーダを動かし、材積載後に土場に移動―などの使い方を可能にし、省人化、効率化に寄与する体制が組める。
他方、通信インフラに関しては、これまで高速無線通信のWiFiを走行経路上に設置して直線的に通信していた方式から、広域無線通信の方式を加え、これで操作に必須の情報を通信していくやり方を組み合わせて、広い範囲(条件にもよるが、見通しできる場所で2~3キロ、丘越えした反対側でも500メートル以上)をカバーする、ネットワークの二重持ちの実現に踏み込んでいる。
林業機械の自律走行に関してはまだ公的な規定がないため、その面の整備が前提になるが、システムの実装は2027年頃を見込んでいる。また、研究開発の作業の中で生み出した安全装備などは、通常のフォワーダにも組み入れられていく可能性がある。
ハーベスタ、プロセッサなどの高性能林業機械による作業体系の中では、フォワーダの能力拡充が強く求められているだけに、同システム完成への期待は大きい。









