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令和7年3月3日発行 第3542号 掲載

最新開発動向を共有/野菜流通カット協議会がセミナー

 野菜流通カット協議会(木村幸雄会長)は2月25日、東京都江戸川区のタワーホール船堀で「加工・業務用野菜の品種開発セミナー」を開いた。これには約170人が参加。種苗メーカー4社の代表者と農研機構の担当者が加工・業務用野菜の品種開発に関する取り組みを紹介した。
 タキイ種苗(株)開発部課長の宇野浩克氏は「タキイ種苗における加工・業務用向け野菜品種開発状況」と題して発表。気候変動や高温化、気象災害頻発化などに適応する品種改良は最重点とし、安定供給のためには様々なリスク軽減のできる品種改良を目指すことが大切だと強調した。同社は2020年から24年までの5年間で48の野菜の新品種をリリースした。21年に発表したダイコン「夏あおい」は軟腐、萎黄病、バーティシリウム黒点病に耐病性のある夏秋どり種で、加工・業務用に向く特性を強化。現在は夏あおいの高温期適応性をさらに強化した品種「TDA812」を試作中だ。
 次に(株)サカタのタネ野菜統括部の古屋剛史氏が「株式会社サカタのタネ、加工・業務用品種について」と題して、キャベツ、カボチャ、レタス、アスパラガス、セロリ、タマネギの品種について説明。注目品種として、生育の揃いが抜群で耐倒伏性にも優れたキャベツ「ふうりん」、草勢が強くて肥大力に優れたカボチャ「SH7―014」、夏芽の萌芽数が多くて上物率が高いアスパラガス「ハイパーウェルカム」、包皮の発色が良いタマネギ「SY1―026」などをアピールした。
 ヴィルモランみかど(株)国内営業本部営業部長の林一博氏は「過酷な生産環境の変化に備えて~品種の特性を活かす」というタイトルで、高温や低温、乾燥、ゲリラ豪雨、豪雪といった気候変動や環境変化による要望に応える野菜の品種について提案。大玉で歩留まりが高いカボチャ「くりゆたかDX」は抜群の肥大性があり、猛暑でも収量や着果が安定するのが強み。ニンジン「エルザ」は円筒形状で袋詰めしやすく、機械収穫に適性があることなどを紹介した。さらに収益力と味わいの新基準を築き、卓越した品質と高い正品率で新たな価値を創造するトマトのブランド「ウルとまシリーズ」をPRした。
 続いて(株)武蔵野種苗園種苗事業部新治育種農場副農場長の大川英佑氏が、耐裂果性、硬玉性、耐黄変果に特化した大玉トマト「愛夏」を紹介。果実硬度が高いため、赤熟出荷が可能となり3~9月に問題になる硬果玉の発生を抑える。「愛夏」の栽培ポイントとして、長期栽培と夏秋栽培は草勢の強い台木を使用すること、ホルモン処理で確実に1段果房を着果させることなどをあげた。
 また、武蔵野小ネギ「若殿」「若月」「若いぶき」「若侍」の4品種をPR。▽生育後期の灌水を抑えすぎない▽過乾燥は収量低下につながるため播種前~発芽後まではしっかり灌水する―ことがポイントだと解説した。
 最後に、農研機構野菜花き研究部門露地生産システム研究領域主任研究員の板橋悦子氏が「農研機構における加工・業務用野菜の品種開発および選定に向けた取り組み」と題して講演。人口減少が進む中でも生産水準が維持できる生産性の高い食料供給体制を確立するには、スマート農業技術の現場導入をより一層加速させることが不可欠とだ強調した。機械収穫を実施している生産現場での品種選定の基準には▽実需者ニーズ(加工適性)▽栽培適性(病虫害・生理障害など)▽機械適性の3つがあることを示した。農研機構はこれらを加味した上で機械収穫適性品種の選定試験を全国各地で実施している。
 発表の後、パネルディスカッションで発表者と来場者が意見交換した。

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