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令和7年2月24日発行 第3541号 掲載

EIMAが示す農の未来:「農業5.0」へ移行/イタリア・国際農機展レポート

 連載の最後に、EIMA2024で開催された様々なイベントをみる。既報の通り、EIMA2024では、11月6~10の5日間の開催期間中に、数多くのイベントが行われた。トークショーやセミナー、記者会見、会議、ワークショップをはじめ、トラクター・オブ・ザ・イヤー2025や革新的農業生産の表彰式、出展企業のプレゼンテーション、最先端のロボット技術のデモンストレーション、最新トラクタの実演パレードなど、屋内外で様々なイベントが毎日実施されていた。主催者によると、合わせて行われたイベントは150にのぼったという。そのうち、会議の題目について一部をみると、農業機械産業の技術や市場、ヨーロッパ農業の課題、イタリアによるアフリカの開発支援「マテイ計画」、「水」と気候変動の問題、パルミジャーノ・レッジャーノのサプライチェーンについて、SNSから生まれた農業インフルエンサー、農業の意思決定支援システムの重要性―など非常に幅広い。会議やセミナーの一部はライブストリームにて、インターネット動画が生配信され、世界中に届けられていた。また、イベントは会場内だけでなく、見本市会場があるボローニャ市内でも実施された。ここでは、数日間の取材中に触れることができた、いくつかのイベントについて概要をみる。初日の朝には、会場1階ホールにて、開幕のテープカットセレモニーに続いて「農業機械産業の技術、専門スキル、市場:農業企業の新たな課題」の会議が行われた。同会議には、イタリア国のフランチェスコ・ロッロブリージダ農業・食料主権・森林大臣をはじめ、ヴァレンティノ・ヴァレンティーニ企業・メード・イン・イタリア省副大臣、EIMA主催者であるFederUnacomaのマリアテレサ・マスキオ会長、イタリア貿易促進機構(ICE)のマッテオ・ゾッパス会長、イタリア農業連盟(CIA)のクリスチアーノ・フィニ会長、同国最大の農業団体であるコンファグリコルトゥーラのルカ・ブロンデッリ副会長が出席。農業企業にとっての新たな課題や挑戦について意見交換を行った。議論では「高付加価値作物に特化したイタリア農業経済にとって技術への投資は収量を増やし、生産性を上げ、農作物の品質を向上させる重要な要素である」ことが示されたが、こうした投資について「農業所得や収益性の低さ」や「投入資材を削減しつつ土壌肥沃度を維持向上する複雑な課題への対処」などが壁になっていることがあげられた。この点について、生産コストの上昇は特に原材料や燃料の価格上昇によるものが大きいことから、ヴァレンテーニ副大臣が第二世代となる原子力発電の立ち上げに言及。さらに、ロッロブリージダ大臣はイタリアにおける2024年版「農業イノベーション基金」について発表した。同基金は、デジタル経営管理、機械、ロボットソリューション、センサー技術、節水や化学物質の使用削減、副産物の利用など、利用可能な最善の技術の普及を通じて、農業、漁業、養殖業の生産性向上を目指す投資を支援するもの。支援対象は主に同国内の農林水産業関連の中小企業で、基金の総額は1億ユーロ。対象技術はトラクタなどの農業機械や工具・設備をはじめ、農用運搬車、畜産・水産の関連機械などとされた。EIMAが同基金の発表の場に選ばれたという事実は、イタリア農政にとってもEIMAが大きな意味をもつことの証左なのだろう。これを受けて、主催者のFederUnacomaは、「不利な経済状況に直面しても、新しい技術や機械への投資を支援することは重要だ」とした。また、2日目に開催されたワークショップ「農業機械:常に進化し続ける農業のバックボーン」では、フィレンツェ大学のマルコ・ヴィエリ氏による講演「精密農業の現状:技術の現状と将来展望」及び、イタリア農業機械連盟であるCAI AGROMEC、同国で精密農業サービスを手掛けるDiagram Group社の代表者らなどによる「農業技術応用における農業機械企業の役割」についての意見交換が行われた。本連載を通して、数日間の取材から記者の目に映ったEIMAの姿を伝えてきた。連載の終わりに思うことは、これらはあくまでEIMAの一部に過ぎないということである。広大な会場内ではまだまだ多くの展示やイベント、プログラム、発表などが行われ、活発な情報交換が繰り広げられていた。EIMAは、農業関連見本市の中で最もグローバル化されたものの1つであり、各国の先端技術が集う展示会である。次回のEIMA2026は2026年11月10~14日に、イタリア・ボローニャで開催される。ぜひ現地に行って、自身の目で世界の農機事情の最新動向を確かめてほしい。

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