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令和7年2月24日発行 第3541号 掲載

実証進む「新しい林業」/高性能林業機械特集

 林業機械化が新たなフェーズに突入、確実に階段を上がっている。開発では、令和6年度の林業イノベーション現場実装シンポジウムで取り上げた「林業機械の開発・実証の現状」の報告内容が示すように、自動化、遠隔操作化への流れが大きく進展し、実用化、普及へと一歩を踏み出している。また、現場の対応も素材生産用ばかりでなく、急峻な地形の多い日本の林地にあって欠かせない架線系を含め、必要不可欠なものとして中身の充実が図られている。林業の機械化は、これからのリード役を果たし、牽引する立場がより鮮明になっており、林業現場の期待は引き続き高い。今週は、機械化林業を革新する取り組みともいえる「新しい林業」モデルの現状とともに、林業機械メーカーが取り組む現在の開発状況などを取り上げ、高性能な林業機械の今に焦点を当てた。
 一般社団法人林業機械化協会(島田泰助会長)が事業実施主体となって進めている「『新しい林業』経営モデル事業」。同協会では2月5日に行った令和6年度の林業イノベーション現場実装シンポジウムの第3部で同協会が12事例の成果と課題について、次の通りまとめ、発表した。
 ▽北欧をモデルにした北海道・十勝機械化林業経営=北欧をモデルにした作業計画から素材生産、流通、再造林、保育に至る、新技術を導入した安全で収益性の高い作業システムを、北海道・十勝地方のフィールドを活用して構築。伐採計画から造林・保育までの収支改善と労働安全性の確保を目指している。
 ▽ICTを活用したCTLシステムによる垂直統合型モデルの構築・岩手=素材生産では、資源情報や地形情報から生産計画を作成し、現場作業を設計。ICTハーベスタの機能を活用し、現場の定量情報・地理的情報を共有。林業機械間の情報共有、フォワーダの集材作業支援により、CTLシステムの有効性の向上を図る。
 ▽川下側の需要を反映した効率的な素材生産 特定母樹「遠田2号」低密度植栽による低コスト造林 収支採算性向上の取組み・宮城=素材生産では、川下側の需給情報をICTハーベスタに指示して採材。検知は人力検知、写真検知、ICTハーベスタによる検知の3つの方法を実施・比較した。
 ▽新たな技術を融合する古殿町モデルの実証・福島=レーザ航測データを活用した路網設計支援ソフトや、クローラ型電動一輪車等の新技術を実証、「持続性確認可能木材」の表示につながる伐採位置情報の活用。素材生産では、一貫作業における林地残材の問題解消のため、マルチャーを活用して林地残材をチップ化。
 ▽川上と川下のデータ連携を柱とするコスト削減と山元還元の実証事業・長野=素材生産では、ICTハーベスタに造材指示をアップロード。乱尺造材、大型パネル製造に必要な丸太を集積。
 ▽最新式集材機とICTハーベスタ等を核とした主伐・再造林システム実証・普及事業・岐阜=岐阜県に導入例のない最新式林業機械を導入し、「新しい林業」の実現に向けて素材生産から販売、再造林・保育まで実証試験並びに普及活動を実施。素材生産では、油圧集材機・架線グラップルシステムによる集材作業及び研修会等による普及活動の実施。
 ▽需要地と供給地の事業連携・新しい地方創型SDGs林業への挑戦・三重・奈良=素材生産では、最適な架線計画作成と自走式搬器による架線集材、林内通信装置の導入。
 ▽先進的林業経営体によるタワーヤーダフル活用モデルの構築・和歌山=実証では、作業計画としてオープンソースのソフトウェア「QGIS」と「Excel」を活用した架線計画を作成し、伐採・搬出では、「新しい技術」を活用した林地残材の収益化のため、末木・枝条の粉砕・運搬、「QGIS」等を用いた到達経路等のシミュレーションの実証を進めた。
 ▽森林管理組織「リフォレながと」を核とした長門型林業経営モデル構築事業・山口)=スマートグラスやUAVレーザ、地上レーザによる精度の高い森林資源把握ICT機器を活用した境界の画定で施業地確保を行うとともに、素材生産では、ICTハーベスタや木材検知システムを導入、最適採材、生産管理等による収益性の向上、異業種からの参入を図る。
 ▽奥地化に適応した主伐・再造林作業システムの実証~最新鋭の架線集材システムの導入~・宮崎)=素材生産では、油圧集材機と遠隔操作グラップル搬器を組み合わせた架線集材システムを実証。
 ▽伐採・植栽・楽下刈一貫システム構築事業・伐採すぐコンテナ苗を植栽、防草シート、マルチャー下刈り・宮崎=素材生産では、箱形4トン・4WDダンプの活用、短尺材詰込用風呂敷型フレコンバッグによる丸太運搬車の輸送運賃及び地拵えの低コスト化。
 ▽持続可能な林業を実現する先進林業モデル―OSUMI(Oosumi SUstainable forest Management Initiative)モデル・鹿児島=素材生産では、チェンソーを利用しない生産システムの実証(ロングリーチグラップルソー、ハーベスタによる伐倒・木寄せ)、作業者位置を把握するアプリケーションでの作業。
 「新しい林業」経営モデル実証事業は、令和6年度の実証地は、北海道、岩手、福島、長野、奈良、山口。

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