MENU
令和7年2月24日発行 第3541号 掲載

県の取り組み:RTK基地局を4月から運用/福島県特集

 福島県内のスマート農業の導入経営体数は飛躍的に増えている。県は2030年度までに950経営体にする目標を掲げていたが、2023年度末時点ですでに990経営体に達したという。昨年9月に上方修正をし、2030年度までに1700経営体を目指す。機種別には主に自動操舵システム、ドローンを中心に導入が進んでいる。
 今年の福島県内での大きな動きといえば、なんといっても4月1日から県内一円でRTK基地局が本格運用開始されることだ。RTK(Real Time Kinematic・リアルタイムキネマティック)とは、地上に設置した基地局からの補正情報を受信して測位精度を向上させるシステムのこと。これにより、農業機械の自動操舵システムやドローンの誤差数センチの高精度作業が可能となる。
 県内11カ所にRTK基地局を設置し、年間利用料を徴収しながら運用していく方針だ。設置場所は相馬市、富岡町、いわき市、伊達市、三春町、矢吹町、棚倉町、猪苗代町、会津坂下町、南会津町田島、南会津町南郷の11カ所。これまでは南相馬市が独自に1カ所、GNSS固定基地局を設置していたのみだった。
 また、県は昨年11月から12月にかけて、RTKシステムの理解促進、活用推進を図るための「RTK活用!スマート農業推進セミナー」を県内7カ所で開催。(株)南東北クボタの協力のもと、RTKを利用した自動操舵付きトラクタ、無人ロボット農機、ドローンなどによる圃場での実演も披露した。セミナーには延べ300人が参加し、スマート農業への関心の高さがうかがえた。
 普及のために、GPS活用によるスマート農業加速化推進事業として、高精度測位システムを活用する自動操舵などのスマート農機の導入にかかる補助を行った。補助率3分の2以内で上限150万円と設定。補助件数は一次募集で65件、追加募集32件の応募があり、計97件となった。
 今後も生産者向けのセミナー・イベントの開催や、農業短期大学校におけるドローンの実践的な知識や操縦技術を習得するための研修などを行う予定だ。
 平地に比べて条件不利な中山間地域は導入が遅れているため、スマート農業を活用した地域農業モデルの構築・実証をするための事業も新たに立ち上げた。
 福島県農林水産部農業振興課主幹(普及・農業革新担当)の丹治喜仁氏は「RTK基地局の運用開始で、スマート農業の普及をさらに加速させていく。そのための補助や体制を整え、儲かる農業の実現に向けて尽力していきたい」と意気込む。

カテゴリー別最新ニュース