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令和7年2月24日発行 第3541号 掲載

市場の概況:農業総産出額1970億円/福島県特集

 福島県は東北地方の最南端に位置し、県土面積は1万3784平方キロメートルで北海道、岩手県に次いで全国第3位の広さを有する。中央部の奥羽山脈と東部の阿武隈高地の2つの山系が存在するため、山系で隔てられた各地域は会津地方、中通り地方、浜通り地方の3地域に大別される。
 会津地方は寒暖の差が大きく、山間部を中心に豪雪となる日本海側の気候、浜通り地方は温暖で雪の少ない太平洋側の気候、中通り地方はその中間的気候と、各地域で気候が異なっているのが特徴だ。
 2022年の農業産出額は全国17位の1970億円。産出額の内訳は米約30%、畜産24・7%、野菜23・4%、果実15・2%となっており、米を中心に多種多様な作物が栽培されている。
 主な農作物をみると、米(収穫量全国6位)、キュウリ(4位)、トマト(8位)、アスパラガス(9位)、モモ(2位)、日本梨(4位)、リンドウ(出荷量全国4位)。
 県は福島県農林水産業振興計画で「『もうかる』『誇れる』共に創るふくしまの農林水産業と農山漁村」を基本目標として、多様な担い手の確保・育成、先端技術の導入やこれに対応する生産基盤の整備、GAPの認証取得促進、県オリジナル品種(「福、笑い」「ゆうやけベリー」など)の普及拡大によるブランド力強化、有機農業をはじめとする環境と共生する農業の推進に力を入れている。
 2011年3月11日に発生した東日本大震災と原子力災害により、農林水産業はかつてない甚大な被害を受けた。大津波により生産基盤は大きく損なわれるとともに、原子力災害においては、国の避難指示や農林水産物の出荷制限、風評による販路の縮小と市場価格の下落など深刻な事態に直面した。
 これまで農林漁業者、行政、団体等関係者の取り組みにより、原子力被災12市町村における営農再開率は約45%(2023年度末時点)にまで回復するなど福島県の農林水産業の復興・再生は着実に前進している。
 特に浜通り地域等の失われた産業を回復するために、新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」が進められている。
 農林水産業も重点分野の1つにあげられており、さらなる営農再開を図るために農地の集積や大区画化を進めるとともに、ロボット技術やICTなどを活用した先端技術の開発・実証や社会実装に取り組んでいる。 
 福島県農業は担い手の減少・高齢化が進んでいることから、少ない担い手での効率的な経営の展開が急務となっている。2021年3月に策定した福島県スマート農業等推進方針に掲げる「情報の収集と提供」「技術の実証・普及」「人材の育成」「新技術等の研究・開発」「農業基盤・情報通信環境の整備」の5つの柱に基づき、省力化、効率化に資するスマート農業技術導入のより一層の加速化に向け、技術の実証から普及、情報発信、人材育成に至る総合的な取り組みを実施している。

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