デジタル林業へ手応え/躍進2025林業機械7

令和6年度の林業イノベーション現場実装シンポジウムでは、「~新技術が拓く林業の未来~」をテーマに現在、現場での対応が図られている自動化・遠隔操作化に向けた機械開発やデジタル林業の現状を確認した。「林業のデジタル化はどこまで来たか」をメーンテーマにした2日目のシンポジウムは、戦略拠点としてデジタル技術をフル活用する「デジタル林業」の取り組みを進める北海道、静岡、鳥取の3地域の報告などから現在の進捗状況や今後の課題などを共有した。
2日目のシンポジウムで林野庁が令和5年度から進めている「デジタル林業戦略拠点構築推進事業」の事業実施主体として報告したのは、デジタル林業の実践に取り組んでいる次の3地域。
北海道のスマート林業EZOモデル構築協議会、静岡県東部地域デジタル林業推進コンソーシアム、そして鳥取県デジタル林業コンソーシアムで、それぞれ北海道水産林務部森林海洋環境局成長産業課主査の田中君祐氏、静岡県森林・林業局森林計画課主査の山上達也氏、鳥取県森林組合連合会事業部長兼販売事業課長の古都誠司氏が事業報告にあたった。
令和2年度の北海道スマート林業推進方針の策定を受け、同年度から4年度の3カ年に、航空レーザ計測データの成長量予測精度や、ICTハーベスタの基本設計の確認をはじめ、各種機器の計測精度の検証、人力検知作業の省力効果、ICTハーベスタを活用した作業システムによる生産性コスト削減や収益性向上の検証など、各種実証に取り組んだスマート林業EZOモデル構築協議会は、令和5年度から林野庁の新規事業としてスタートした「デジタル林業戦略拠点構築推進事業」に選定され、取組内容を進化させた。
取り組み開始から5年目となる6年度は、枝幸町を実証地として、トラック単位でのデジタルデータによる流通・受入、ハーベスタの生産データを流通に活用できる作業、生産管理の実現などを進めた。
その結果、従来の木材流通に比べデジタル林業では、生産情報のリードタイムの短縮をはじめ、生産情報の精度向上、歩留まり向上・在庫圧縮、すなわち無駄の少ない木材生産が行われるようになったという。
また、静岡県の東部地域におけるデジタル戦略拠点とすべく立ち上げられた同推進コンソーシアムでは、生産情報共有システムを開発。山土場情報を作業員がタブレットに入力することで、県森連は事務所にいながら山土場情報の把握が可能となるもので、立方メートル当たり213円の削減効果が得られたという。
「土場での滞留時間の減少により伐採現場から土場への小運搬も遅滞なく円滑に行えることから、素材生産量の増加にもつながる見込み」と手応えをつかんでいる。この他にも、原木検収・丸太納品情報共有システムを導入、「納材書入力作業」や月末の「請求書内容作業」の省力化が見込まれる。
森林施業プラン支援システムの導入や川上・川中・川下の生産流通SCM(サプライチェーンマネジメント)システムの構築を目標に取り組んだ鳥取県デジタル林業コンソーシアムは、一括した電子処理の確立を目指した。シンポジウムではSCMシステムの構築について報告した。迅速な情報共有・連携を行うことで事務コストを削減した。









