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令和7年2月24日発行 第3541号 掲載

AI農業が人類救う/関東農業食料工学会が初学の会

 関東農業食料工学会(北村豊会長)は15日、千葉県松戸市の千葉大学松戸キャンパスで開催した2024年度関東農業食料工学会第60回年次大会において、初学の会を実施した。
 これは農業企業関係者を講師に招き、若手研究者や学生に向けて、業界のトレンドや今後の展望を伝えるもので、今回はAGRIST(株)営業部新規事業開発責任者・尾身喜信氏が「AI農業で人類を救う―AIとロボットを使ったスマート農業」を講演。農業を儲かる産業にしていく同社の取り組みを紹介した。
 尾身氏によると、同社は宮崎・鹿児島・茨城の3地区を拠点に、ピーマンやキュウリの自動収穫ロボットをはじめ、AIとロボットを使ったスマート農業を全国に展開しているスタートアップ。地域密着型でテクノロジーを活用した農業生産を進めており、技術の高さと社会課題解決の取り組みが高く評価され、2019年設立からわずか5年で国内外の20以上の賞を受賞している。宮崎・鹿児島では約1ヘクタール規模の自社農場を構え、事業連携でピーマン等の生産を実施。収穫ロボットの稼働と栽培環境データ管理を行い、高収量を目指す取り組みなどを行っている。
 昨今の取り組みでは、マイクロソフトの支援を受けて「AGRIST Ai」を開発。これは農業に特化したAIで、高精度な収量予測を行い、栽培管理を支援するシステム。同AIはロボットやセンサーで収集したデータを分析して、営農に役立つレコメンドを提示。収量や売り上げ、栽培記録、物流、環境データの見える化・管理はもちろん、物流・小売りなどと連携して需要に合わせた最適出荷を行え、ドライバー不足や食品ロスなどにも対応する。また、農場5~6年分のデータを入れると毎週の収量予測を誤差20%で推論し、作業者や作業時間、出荷の管理判断に役立つと述べ、将来的にはWAGRIなど用いて市況価格予測もしたいという。
 今後については、ロボットとAIを用いて農業全体をDX化していき、事業連携で産業と雇用を作っていくと展望。自社農場10ヘクタールと民間農場90ヘクタールを合わせた100ヘクタールで100億円を目指すなどと語った。
 講演の後、質疑応答が行われ、参加した学生らと盛んに情報交換をしていた。「画像データをどのように活用し展開していくか」の質問には「今は収量予測など生育が主で、一部害虫発見にも活用している。今後は光合成促進や非接触の水分量の分析も検討。水分量は収穫後の品質保持にも使えるのではとの意見もあるが、まだ実証段階」などと応答していた。

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