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令和7年2月24日発行 第3541号 掲載

千葉大で第60回年次大会/関東農業食料工学会

 関東農業食料工学会(北村豊会長)は15日、千葉県松戸市の千葉大学松戸キャンパスにおいて、2024年度関東農業食料工学会第60回年次大会を開催した。関東地区の大学や研究機関、企業など会員による最新の農・食に関する研究成果が口頭発表されたほか、学会創基60周年記念セミナーや、若手研究者向けの初学の会などが行われた。また、昨年に続き、今回も同会場にて、農業施設学会による2025年農業施設学会学生・若手研究発表会(ポスター発表会)が同時開催され、両学会の会員や学生らがお互いに交流を深めていた。
 関東農業食料工学会の口頭発表では、農業機械関連については(1)圃場整備事業における収益拡大に向けた効率的な機械運用(宇都宮大学)(2)水稲移植作業における圃場内作業時間低減を目指した圃場条件(同)(3)ゴム履帯車両の後進畦畔乗り越え時の挙動に関する研究(同)(4)農業機械の乗降安全性向上に関する研究(同)(5)農業スマート安全のためのモデルベースアプローチ(東京農工大学)(6)アルキメディアンスクリューを用いた水陸全方位移動ロボットの開発(同)(7)自律走行型害獣追払いロボットの開発(東京大学など)(8)GTAP―BIOモデルによるバイオ燃料生産時のILUCの算出(東京大学)(9)荷馬車による発電(同)―が行われた。
 そのうち(5)は東京農工大学の酒井憲司特任教授が研究発表。酒井氏はトラクタ横転事象について、モーション型ドライブシミュレータによる可視化により事故体験者の体験・知見を顕在化し、社会的認識を形成する研究を進めており、これをトラクタ横転に対するモデルベース開発(MBD)と位置付けていると説明。酒井氏は現時点で1604件のシミュレーション結果を動画にしてWeb公開しており、これらのトラクタ横転シナリオの分類を試行した。分類として共振ジャンプ現象や入退出路横転、旋回時横転、前輪脱輪横転、片ブレーキによるダッシング発生などを提示。
 さらに事故体験者への聞き取りも行い、現場検証とシミュレーションを比較した。事故事例のシナリオ再現をしたところ、急傾斜登坂時の横滑り横転において、航路設定のわずかな違いにより無事登坂できたことから、事故は運転の上手さや操作の誤りではなく確率の問題として起きているのではないかと指摘。正しい運転を定義するよりも、事故の臨界領域を理解し、予防するアクティブセーフティの考え方が重要などと語った。

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