売上高は1684億円/井関農機・2024年12月期連結決算

井関農機(株)(冨安司郎社長)は14日、オンラインで会見し、2024年12月期連結業績(日本基準)を発表するとともに、一昨年11月14日付で発足した「プロジェクトZ」の施策の進捗状況、また昨年2月に公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」の現状分析・評価、取り組み状況をアップデートした。それによると、2024年12月期の売上高は1684億2500万円(前期比99・1%)の微減。損益面は、営業利益は19億2000万円(同85・2%)、経常利益15億7700万円(同75・4%)、税金等調整前当期純損失は15億3100万円(前期は19億円の黒字)、親会社株主に帰属する当期純損失は30億2200万円(同2900万円の黒字)となった。次期の売上高は1705億円を見込み、営業利益はプロジェクトZ施策の効果発現になどより当期比6億7900万円増加の26億円を見込んでいる。なお、役員異動では深見雅之取締役が2025年3月27日付で退任、エグゼクティブ・シニア・アドバイザーに就任する予定。
会見には、冨安社長が出席した。
2024年12月期業績について冨安社長は、前期比減収減益ながら、「売上げ・利益ともほぼ昨年7月18日に公表した予想通りに着地した」と述べた。国内外価格改定効果については、「2024年は18億円の増益効果があり、原材料等仕入れ価格の高騰を上回った」とした。また、2025年12月期業績予想は「前期比増収・増益」とし、売上高は、欧州は高水準維持、北米・アジア増収、国内は成長分野への経営資源集中・販売強化で増収とする一方、利益面では増収とプロジェクトZ効果一部発現で営業増益も、一時費用があり増益幅は「限定的」とした。冨安社長は「減収減益、最終損失という厳しい決算となった。業績修正で想定していた通りだったが、プロジェクトZを完遂することで、きちっとした決算ができるように経営陣一同、プロジェクトZ完遂に向けて歩んでいきたい」と述べた。
決算概要は次の通り。 当期(2024年1月1日~2024年12月31日)の売上高は、前期比14億9000万円減少し、1684億2500万円(前期比0・9%減)となった。国内売上高は前期比2900万円減少の1130億3100万円(同0・0%減)となった。農機製品は第1四半期は需要低迷を受け減少したが、年央以降の米価上昇による需要回復を捉え一部カバーし、通期では微減となった。一方、収支構造改革の柱である補修用部品や修理整備等のメンテナンス収入は伸長し、国内売上全体では前年並みとなった。
海外売上高は前期比14億6000万円減少の553億9400万円(同2・6%減)となった。北米はコンパクトトラクタ市場が弱含みに推移、アジアは韓国での在庫調整実施とアセアンで需要軟調となった。一方、欧州は景観整備向け製品と仕入れ商品(電動商品)の売上げが堅調に推移した。
営業利益は前期比3億3300万円減少の19億2000万円(同14・8%減)となった。国内外価格改定効果等により売上総利益は増加したが、為替換算影響もあり販管費が増加した。
経常利益は前期比5億1500万円減少の15億7700万円(同24・6%減少)となった。主に為替差益の減少と持分法による投資損失の拡大によるもの。
税金等調整前当期純損失は15億3100万円で、これは主にプロジェクトZの構造改革に伴う減損損失及び事業構造改革費用の計上によるもの。親会社株主に帰属する当期損失は30億2200万円(前期は2900万円の黒字)となった。
商品別の売上げ状況は次の通り。
〔国内〕
整地用機械(トラクタ、耕うん機など)は212億6400万円(同3・7%減)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は65億7400万円(同9・1%減)、収穫調製用機械(コンバインなど)は163億4600万円(同3・8%増)、作業機・補修部品・修理収入は442億7500万円(同4・2%増)、その他農業関連(施設工事など)は245億7000万円(同3・6%減)となった。
〔海外〕
整地用機械(トラクタ、芝刈機など)は360億3000万円(同8・6%減)、栽培用機械(田植機など)は10億1900万円(同44・2%減)、収穫調製用機械(コンバインなど)は5億8700万円(同56・7%減)、作業機・補修部品・修理収入は69億2700万円(同8・3%増)、その他農業関連は108億2800万円(同37・6%増)となった。
〈今後の見通し〉
次期の売上高は当期比20億7400万円増加の1705億円を見込む。国内市場では構造的な需要の減少傾向が継続する中、成長分野である「大型」「先端」「環境」「畑作」への経営資源の集中や販売強化を図り増加を見込んでいる。海外市場では、北米はコンパクトトラクタ市場の底打ちを見込み増加、欧州は前期にあった仕入れ商品の特需が剥落するものの、高水準を維持、アジアはタイ周辺国への展開と韓国での在庫調整後の出荷促進を見込み増加し、海外全体では売上高の伸長を見込んでいる。
営業利益はプロジェクトZ施策の効果発現などにより当期比6億7900万円増加の26億円を見込む。経常利益は18億円、親会社株主に帰属する当期純利益は13億円を見込んでいる。なお、業績見通しにおける想定為替レートは1米ドル=150円、1ユーロ=157円としている。
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〈プロジェクトZの進捗状況〉
▽進捗 短期集中で実行する抜本的構造改革のうち、生産拠点の再編や販売会社の統合など、主要施策の進捗状況は概ね計画通り進んでいる。成長戦略に向け海外では欧州事業の拡充策、国内においては営業組織の再編を実施し成長戦略の基盤つくりを進めた。
▽抜本的構造改革 (1)生産最適化「生産拠点再編」=計画通り進捗。(株)ISEKI M&D(松山)に製品組立を集約すべく建屋新設に着手。(株)ISEKI M&D(熊本)からのコンバイン生産移管プロセスは計画通り進んでいる。生産拠点の再編に係る投資については、生産効率を改善しつつ投資抑制に努め、当初総投資計画460億円から380億円に圧縮した。
(2)開発最適化「製品利益率の改善と開発の効率化」=一部遅延。製品利益率の改善は当初計画より一部遅延しているものの、リソースを追加投入し回復を図る。その改善効果は2025年下期より順次発現し、27年に改善目標の達成を目指す。開発の効率化は削減機種・型式を確定次第、実行しており計画通り進捗している。
(3)国内営業深化「成長戦略への基盤つくり=計画通り進捗。(株)ISEKI Japan設立に伴い営業組織体制を変更。経営資源を集中し迅速な意思決定と強力な推進体制を構築した。
(4)人員構成の最適化と人的資本投資=人員構成の最適化↓一部計画変更。希望退職は募集人員を下回るも、グループ全体の人員計画見直しにより想定していた人件費水準を確保。
人的資本投資↓計画通り進捗。教育、研修プログラムの強化・ダイバーシティ推進採用・成長分野への人材配置を実行。 (5)経費削減=経費削減の取り組みは当初計画より遅れているが、今後は業務仕分けを徹底し、具体的な改善策を実行することで挽回する。
▽成長戦略 (1)海外地域別戦略と商品戦略の展開=計画通り進捗。欧州において英国販売代理店「プレミアム・ターフ・ケア社」を25年1月から連結子会社化(2)国内成長分野への経営資源集中=計画通り進捗。成長分野である「大型」「先端」「畑作」「環境」へ集中・販売強化すべく、(株)ISEKI Japanに「大規模企画室」を設置。
〈資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(アップデート)〉
当社のPBR(株価純資産倍率)は1倍を下回る水準が継続しており、24年12月末時点で0・30倍に止まっている。プロジェクトZの諸施策を着実に進めることにより27年までにPBR1倍以上の実現を目指す。
▽目指す姿(2027年) 連結営業利益率=5%以上、ROE(自己資本利益率)8%以上、DOE(株主資本配当率)2%以上。
▽改善の方向性と施策の進捗状況 (1)収益性改善(生産最適化、国内営業深化は計画通り進捗。開発最適化は利益率改善では一部遅延、開発効率化は計画通り。経費削減は一部遅延、業務仕分け徹底)(2)資産効率化(3)成長に向けたキャッシュアロケーション。在庫圧縮により営業キャッシュフロー黒字化(4)IR活動・ESG取り組み強化―など。









