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令和7年2月17日発行 第3540号 掲載

農水畜業のカーボンクレジット市場、2030年に50億円/富士経済調べ

 (株)富士経済はこのほど、農業・水産業・畜産業におけるカーボンクレジット市場の調査結果を発表した。同調査では、農業、水産業、畜産業の分野別にカーボンクレジットの創出量や取引量、取引金額を明らかにし、農水畜産業のカーボンクレジット市場の現状と将来を展望。また、カーボンクレジットを創出する企業・団体や、それらを支援する事業者などの動向を調べた。
 それによると、農業・水産業・畜産業における2024年のカーボンクレジットの国内市場は1億円が見込まれた。現在は、農業と水産業分野で市場が形成されつつあるとしている。中長期的には、農業分野におけるカーボンクレジットが「AG―005:水稲栽培における中干し期間の延長」を中心に大きく伸びることが見込まれ、さらに水産業や畜産業分野も徐々に市場が形成されるとし2030年の市場は2024年見込み比50倍の50億円と予測される。
 レポートによると、農業では、J―クレジット制度の「AG―003:茶園土壌への硝化抑制剤入り化学肥料又は石灰窒素を含む複合肥料の施肥」、「AG―004:バイオ炭の農地施用」、「AG―005:水稲栽培における中干し期間の延長」の方法論に基づくクレジット市場を対象とした。
 詳細分析として、現状、バイオ炭の農地施用に取り組む「AG―004」と水稲栽培における中干し期間の延長に取り組む「AG―005」に動きがみられると指摘。「AG―004」は、バイオ炭のクレジット価格は5万円/トン―CO2と高価であり、現状の創出・取引量は限定的である。
 しかし、J―クレジットの中でも希少な吸収・除去系のクレジットであることや、高機能バイオ炭を中心に土壌改良資材としての効果も期待できるため、今後の伸長が予想される。「AG―005」は、生産者が取り組みやすく、ベンチャーや大手企業による多様なプロジェクトが進んでいることから、現状で農・水・畜産業におけるカーボンクレジットの5割弱を占めているという。
 また、認証対象期間が8年と限定的であるほか、優良農地・地域をめぐる競争激化が予想されるものの、今後も大幅な伸びが期待され、市場を牽引するとみられる。
 秋耕や乾田直播によるCH4削減、緑肥作物の栽培による炭素貯留などの新規方法論を適用したクレジット市場などの伸びも、今後期待される。
 一方、畜産業は、J―クレジット制度の「AG―001:牛・豚・ブロイラーへのアミノ酸バランス改善飼料の給餌」、「AG―002:家畜排せつ物管理方法の変更」、「AG―006:肉用牛へのバイパスアミノ酸の給餌」の方法論に基づくクレジット市場を対象としている。
 現時点では、家畜排せつ物管理方法の変更に取り組む「AG―002」でクレジット創出・取引がみられる。畜産業由来のGHG排出量は削減の余地が大きく、「AG―001」や「AG―006」の適用に向けた取り組みが進むことなどから伸長が予想される。
 そのうえで、将来的には、ゲップ由来CH4の発生を抑制する飼料などの新規方法論を適用したクレジット市場の認証やそれに伴う飼料添加物市場などへの波及も期待される―などとしている。

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