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令和7年2月10日発行 第3539号 掲載

低コスト再造林プロジェクトの成果/躍進2025林業機械5

 このところ再造林を前面に押し出した発表会、シンポジウムの開催が目立つ。しかも低コストを標榜している。それだけ現在の森林・林業の現場にとって、林政が掲げる「伐って、使って、植えて、育てる」のうち、後段の2つに当たる「植えて、育てる」のいわゆる、造林作業のあり方、進め方が喫緊の課題となっていることを物語っている。いま進めなくてはという強い危機感の表れでもある。このため造林を円滑に進める上での技術の役割が改めて重要視されてきている。
 今週は、全国森林組合連合会と農林中央金庫が進め、1月23日に最終報告会を開催した「低コスト再造林プロジェクト」について。同プロジェクトは、林業の成長産業化及び持続可能な循環型の森林・林業経営の実現を目的として令和2年度からスタート。長野県、広島県、宮崎県の全国3カ所をモデル施業地として、早生樹のひとつである「コウヨウザン(コンテナ大苗)」の利用による伐採と造林の一体作業や活用等の実証実験を進めた。5年が経過したことからプロジェクトの集大成として「低コスト再造林プロジェクト最終報告会」を開いた。
 同プロジェクトでは、自立的かつ持続可能な林業経営の確立を目標に、そのファーストステップとして早生樹種であるコウヨウザンのコンテナ大苗を活用した主伐・再造林の一体作業に取り組んだ。モデル施業地である長野県は根羽村森林組合、広島県は三次地方森林組合、宮崎県は都城森林組合が実証実験を進め、1月23日での最終報告会では、順に鈴木吉明専務理事、貞廣和則参事、徳丸康博事業部長が成果報告にあたった。
 プロジェクトの目的は何か。プロジェクトリーダーを務めた大貫肇氏(物林(株)顧問)は、再造林率が3~4割に留まっているのは補助金の限界ではないかとの考えを示した上で、「林業に産業としての魅力や将来性がなければ、補助金をもらっても再び植林して林業に取り組もうという元気はわいてこないのではないか、産業として活力ある林業の構築を目指したい」と狙いを語っている。
 そして主伐・再造林の推進によって森林の若返りを図るとともに、現在の課題を解決する技術として、早生樹の活用、コンテナ大苗による一体作業そして植林の疎植という3つの命題を掲げた。成長量の大きい樹種であるコウヨウザンを活用することで、伐期の50年から30年の短縮につなげる他、コンテナ大苗を活用することで、伐採・造林作業の一体作業による地拵えの省略や下刈り回数の削減を目指した。
 植林の疎植では、従来のヘクタール当たり3000本を同1500本と植栽本数を絞り、短伐期で間伐作業を必要としない施業につなげようとした。
 大貫氏は、地拵えや下刈りなしの施業や間伐を前提としない施業、そして戦略的な造林樹種「コウヨウザン」への可能性が広がったとプロジェクトの成果を確認し、素材生産作業と一体的に大苗を植栽したのをポイントのひとつにあげるるとともに、どうやって発展させていくか、実証から実践の段階に向かっているとの考えを示し、「新しい挑戦を後押しできることを考えたい。きちんと低コスト、主伐再造林、短伐期の実現。『木を植えるんだ未来のために』をメッセージとして発信したい」と語った。

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