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令和7年2月10日発行 第3539号 掲載

ARで農作業補助/埼玉県がスマート農業推進フォーラム

 埼玉県は1月31日、さいたま市浦和区のさいたま商工会議所会館及びWebにて「埼玉県スマート農業普及推進フォーラム」を開催した。
 フォーラムでは最初に、農林水産技術会議事務局からスマート農業技術活用促進法の概要と活用のポイントについての説明があり、その後、同技術の開発供給事業者と農業者のそれぞれから事例発表が行われた。
 開発供給事業者として登壇したのは、(株)Root代表取締役の岸圭介氏。自社で開発したAR(拡張現実)農作業補助アプリ「Agri―AR」を中心に、スマート農業技術活用促進法の活用などについて講演した。岸氏は、2017年に同社を創業。農業分野におけるDX開発事業を推進するかたわら、酪農や稲作なども行う。農作業の中で、機械作業を行う準備のための直線引きやサイズ計測など、単純だが効率化できていない作業が多数あることに気付き、「安価で、誰でも、どんな圃場でも使えるツール」を開発して作業を効率化できないかと発想。ARを用いたアプリサービス「Agri―AR」の開発に至った。
 同サービスは、スマートフォンやスマートグラスを使って、直線ガイドや畝・苗シミュレーション、サイズ計測、空間マッピング、面積・距離・体積計測などが簡単にでき、年間使用料9900円からとリーズナブルな価格設定が特徴。
 昨年12月に開発供給実施計画の第1弾に認定され、支援措置として日本政策金融公庫の長期低利融資を受けることが決まっている。
 すでに国内の農園や関連団体300以上で導入され、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどでも普及が進んでいる。ザルビオとのサービス連携もできるようになったことから「今後は、欧州や北米への事業展開の可能性が高まっている」と述べ、グローバル展開へ意欲をみせた。
 続いて、(株)ぼくらの農園代表取締役の岩田浩氏が、農業事業者によるスマート農業技術活用促進法の生産方式革新実施計画への取り組みについて発表した。
 ぼくらの農園(埼玉県入間市)は、「おいしい野菜で、みんなを笑顔に!!」を経営理念に、露地栽培8ヘクタール、施設栽培22ヘクタールで野菜生産などを行う。2021年に鉄骨屋根型ハウスを建設し、大玉・中玉のトマト栽培を行っているが、トマト栽培の規模拡大とミニトマトの導入を経営目標に検討を進めたところ、課題として▽ハウス内の環境制御▽作業環境の向上と効率化―の2点がみえてきたという。それらの解決のため、環境制御システムと高軒高ハウスの導入を考えていた際、県から生産方式実施計画についての説明を受けたのをきっかけに、申請することを決めた。
 各種認定要件も▽スマート農業技術の活用=環境制御システムの導入▽新たな生産方式=高軒高ハウスの導入▽作付面積の概ね過半で実施=84%で実施▽労働生産性5%向上=前記の実施による達成見込み―とクリア。現在、川越農林振興センターと相談しながら計画書を作成中だ。
 最後に岩田氏は「個人で生産方式革新実施計画を申請することは、なかなか難しい」と述べ、1人で取り組むのではなく、行政や農協、農林振興センターなどに相談しながら進めていくことをアドバイスした。

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