EIMAが示す農の未来:AGFM社施設同行紀 ディーラー注目のイタリア新技術/イタリア・国際農機展レポート6

EIMA開催2日目、同見本市へ視察・商談に訪れていた(株)アグリフォレストマシーン(北海道空知郡南幌町南15線西22、以下AGFM社)の代表取締役CEO・山田俊作ダニエル氏、アグリビジネス部技術部長・櫻井雄治氏に同行させていただいた。世界中から農林業機械を正規輸入し、国内農家に販売している同社は、EIMA2024で何を見て、何を思い、何を商談してきたのか。AGFM社によるEIMA視察の同行紀を、2回にわたりお届けする。AGFM社は、1991年創立のナカザワアグリマシーン(株)を前身とし、2022年に社名変更。前社名の時代から約30年にわたり、世界中の新品及び中古の農林機械を取り扱ってきた。その確かな目利きや、しっかりとしたアフターサービス、メンテナンスなどに定評があり、地元北海道の農家はもちろん、全国の大規模農業法人、自治体・団体などからも引き合いが多い。グループ会社である(株)ファナージャパンの林業事業者向け防護衣なども好評だ。山田社長は「お客様のこんな営農がしたい、こんな機械や施設が欲しいという要望に答えるのがうちの仕事」と語り、ニーズに合わせて良い機械を求め、情報を仕入れるべく世界中を飛び回っている。また、日本にはまだ導入されていない海外の新技術やニッチ製品を取り入れることも得意としており、EIMAにおいてもそうした視点で様々な機械を吟味し、また「(機械を)販売後もお客様から様々な質問や相談が寄せられるので、メーカーに問い合わせたり、反応をフィードバックしたり、新製品が出ているか情報収集する」と、活発に情報交換を行っていた。EIMA2日目の朝、山田社長と櫻井部長がまず訪れたのは、イタリアの穀物乾燥機メーカーであるSTRAHL社の小間。1966年以来、50年以上にわたり穀物乾燥機を製造している同社は、同部門において欧州を牽引し、世界的企業となっている。山田社長は「穀物乾燥機はイタリアが非常に強い。EIMAにも4~5社出展しているが、中でもSTRAHL社は固定式と移動式の2種類製造しているのが強みだ」と高く評価した。小間には、AGFM社が販売を手掛けている移動式の大型穀物乾燥機・バイオドライシリーズをはじめ、小型の固定式乾燥機、乾燥後の穀物サンプルなどが展示されていた。小間ではSTRAHL社セールスマネージャーのニコラ・スキアーボ氏が応対してくれた。同社によると、バイオドライシリーズは、オーガニック穀物の処理に最適な熱交換器を備えた穀物乾燥機で、特殊なステンレス製熱交換器により、燃焼空気が乾燥空気から分離され、製品に接触しない。そのため、穀物の官能特性が完全に保持されるのが大きな特徴となっている。AGFM社では飼料用コーン乾燥機として北海道を中心に、岩手などの大規模農業者に販売しているという。「日本の乾燥機よりもはるかに短時間で大量乾燥できるのが大きな特徴。低温長時間、高温短時間など仕上がりを調整可能で扱いやすい。燃料がトラクタと同じ軽油なので使い勝手がいいし、コーンのほか、小麦や大豆、米などにも使える」と山田社長は胸を張る。櫻井部長も「バーナーの火で熱風を作り穀物を乾燥させていて、燃料の匂いが穀物につかないのも気に入った点の1つ。また、移動式なので、どこから排出して荷受けするかなどの向きや場所を選べて自由度が高く、効率化につながる」と評価した。販売にあたっては、STRAHL社担当者が何度も来日して組立てやメンテナンスの仕方などを教えてくれているという。顧客へのアフターサービスについても特に注力しているとのことだ。山田社長らが次に向かったのは、イタリアの園芸用農機メーカーであるFerrari GROWTECHの小間。同社は移植機を中心に、播種機、自動除草機など野菜作機械を製造販売しており、小間では、同社エリアマネージャーのアレッサンドロ・コルベッタ氏が応対してくれた。氏によると、家族経営の同社は現在2代目にあたり、創業当時は単純な農機具屋だったものの、その後油圧・空気圧・電子部品などの最新技術を取り入れ、今や野菜移植機における世界のフロントランナー。世界60カ国に輸出しており、レタスやトマト、キャベツ、セロリ、タバコ、サツマイモなど、移植が必要な野菜は全て同社の機械で移植可能だという。特に評価が高いのが、業界初の全自動野菜移植機である。同社の全自動移植ロボット「FUTURA」及び「FUTURA TWIN」は、1台当たりトレイを供給するオペレータ1人のみで作業でき、移植は全て自動で行う。可動フィンガーと組み合わせた円筒形のプランジャーに基づく技術を使用して苗を抽出。市販されているほとんどのトレイに対応可能であり、移植作業速度は1時間当たり平均7500株~最大9000株を誇る。今でこそ全自動移植機を手掛けるメーカーは何社かあるものの、「いかに作物を傷めずに優しく、正確かつ早く植えることができるかといった技術が最も揃っている。手植えと同じ精度を実現できるのはうちだけだと誇りを持っている」とコルベッタ氏。AGFM社は同社の正規ディーラーとなっており、「北海道では100ヘクタール以上のカボチャ栽培などでこのロボットを活用してマルチ穴をあけながら移植している。日本の移植機よりも断然に速く効率が良い」と山田社長。AGFM社では北海道を中心に、長野県でもブロッコリーやスイートコーンを栽培する生産者に販売したという。さらに、機械メンテナンスなどアフターサービスについても、Ferrari社から徹底した教育によって叩き込まれたと語る。山田社長は同社の移植機について、日本で2026年度からブロッコリーが指定野菜に追加されることを踏まえ、「これから必ず需要が増える。50ヘクタール規模のブロッコリー畑があればこうした機械が必要になるし、本州でも高原野菜など大規模にやっているところで活用できる」と力を込めた。同社ブースではそのほか、列間および株間を1時間当たり最大9000株もの高速除草する自動除草機なども展示しており、注目を集めていた。









