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令和7年2月3日発行 第3538号 掲載

産学連携し技術普及へ、JATAFFがスマート農業セミナー/野菜・畑作関連機器特集

 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF、藤本潔理事長)は1月10日、オンラインにてセミナー「産学連携によるスマート農業の更なる進展に向けて」を開催した。
 農林水産省が実施する「知」の集積による産学連携支援事業で行われたもので、スマート農業実証事業の成果と普及に向けた取り組み、産学連携によりスマート農業を推進している事例などが紹介された。
 開会挨拶したJATAFF産学連携事業部長・佐藤龍太郎氏は、同省が6年度補正予算並びに7年度予算にてスマート農業普及に注力していくことに触れ、技術の社会実装にあたってはマッチング支援など多様なニーズがあることから、更なる産学連携が必要となり、本セミナーが今後のよりよい産学連携の参考になるよう期待を寄せた。
 次いで講演に移り、住田弘一氏(農研機構本部みどり戦略・スマート農業推進室顧問)による基調講演「スマート農業実証事業の成果とその普及に向けた取り組み」を皮切りに、以下、事例紹介として、(1)上田宏一郎氏(北海道大学大学院農学研究院教授)による「群飼育哺育牛の健全な発育と管理省力化を両立させる体調不良個体AI検出システムの開発」(2)植松繁氏(石川県農林総合研究センター農業試験場中央普及支援センター主任技師)による「ドローンセンシングデータの広域シェアリングを中心とした大麦・大豆生産における新たな農業支援サービスの実証」(3)永井伸一氏(岡山県農林水産総合センター普及連携部長)による「果樹栽培の省力・高品質安定生産を可能にするスマート栽培管理システムの開発」(4)松添直隆氏(熊本県立大学環境共生学部教授)による「棚田・小水田の除草労働を省力化する球体ロボットの開発」―の4講演と質疑応答が行われた。
 住田氏は同省が令和元年~5年度に全国217地区で実施してきたスマート農業実証プロジェクトの概要と成果などを説明。実証目的が年度ごとに、スマート農業を周知、導入促進、みどり戦略など政策課題にスマートで対応―等に変遷してきた経緯を示し、主な技術としてロボットトラクタや自動操舵、可変散布システム、ドローンなどをあげ、実証事例と導入効果などを紹介した。そして、国が目標に掲げるデータを活用した農業を実践する割合は年間3~4ポイント上昇しているとし、更なる本格普及に向けて6年度補正では産官学連携のコンソーシアムにて、導入効果を着実に発揮させる栽培体系や技術の運用方法等を検証し標準化していくなどと語った。
 また、植松氏は石川県が実証を進めている、ドローンによるリモートセンシング技術の活用、およびデータシェアリングを行うための仕組みである「広域画像収集プラットフォーム」の取り組みなどについて報告した。これは農業者が簡便かつ安価にドローンを活用した広域画像収集・広域生育診断に取り組めるように、空撮作業は専門パイロットにアウトソーシングし、地域単位で多数の生産者が画像をデータシェアを行うことで労力とコストを低減する仕組み。従来のドローンに比べ撮影高度を145メートルに上げることで1フライトで60ヘクタールと広範囲の生育診断ができ、撮影面積は1日当たり約1000ヘクタールを可能とした。撮影したデータは(株)オプティムが収集・分析。同社の農作業支援アプリ「アグリレコメンド」を通してデータに基づいた栽培管理情報等を農業者に通知する。農業者は同アプリを活用することで自ずとデータ駆動型農業を実践できる。
 植松氏はこの取り組みの活動成果を説明し、JA松任・JA能美管内で圃場作業が必要な時期を中心に年間7回広域生育診断を行い、1時期当たり約4000ヘクタール規模の広域画像収集を実現した。そのうち一例をみると、大麦消雪期の追肥診断にドローン画像を活用し、生育不良エリアのみに追肥を実施でき、農業者からは「生育過剰・不足の圃場がどこなのかわかった」と好評を得た。大麦の増収効果としては、松任・能美のいずれの地域も、実証経営体の収量が大きく向上。地域単収と同等以上の収量の向上効果が確認できた。
 こうして(1)ノウハウ確立(2)データ駆動型栽培体系のベース構築(3)実証内容の社会実装―を進めた成果を地域の講習会・発表会などでPRしたところ、意欲ある地域から導入の要望を得て、JA小松市への横展開も推進。効果的な活用を支援している。事例を共有することで他の地域への波及はもちろん、同技術の全国レベルでの普及を図るなどと意気込んだ。

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