MENU
令和7年2月3日発行 第3538号 掲載

2024年度ポテトフォーラム:バレイショで農業強く/野菜・畑作関連機器特集

 農研機構北海道農業研究センター、北海道馬鈴しょ協議会、日本スナック・シリアルフーズ協会が昨年、ホテルモントレエーデルホフ札幌で開催した2024年度ポテトフォーラム。これは、バレイショ関係者の理解と協力を深め、バレイショ産業全体の発展を目指して毎年実施しているもので、第1部のフォーラムでは、「ばれいしょをめぐる状況について」(農林水産省農産局地域作物課課長補佐・鈴木里沙氏)、「農研機構初のスタートアップ企業『農研植物病院』」((株)農研植物病院CTO・眞岡哲夫氏)、「ポテトチップスの動向」(カルビー(株)マーケティング本部ポテトチップス部ブランドディレクター・三浦太志氏)、「バレイショの収量や病害発生への高温化の影響」(農研機構北海道農業研究センター上級研究員・津田昌吾氏)の4講演が行われた。
 最初に登壇した農林水産省の鈴木氏は、バレイショの需要・生産状況、加工用バレイショや種バレイショの現状、さらには害虫・ジャガイモシストセンチュウへの対策について解説した。
 鈴木氏はこの中で、種バレイショは一般的なバレイショ栽培に比べて時間がかかり、北海道では生産者数、面積ともに減少傾向にあることや、ジャガイモシストセンチュウ発生地域の拡大で圃場の確保が困難になり、一部地域では必要数量の種イモ生産が難しくなっていることなどを指摘。種バレイショ生産の省力化と、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種の普及拡大が喫緊の課題であるとした。
 省力化対策として、▽消毒機能付きカッティングプランターの導入による種子予措作業の大幅削減▽管理車両やドローンからの撮影画像を活用しAIを用いた病株検出技術の開発―などを推進しているとした。また、ジャガイモシストセンチュウ対策については、近年、加工適性や機械化適性を有し、かつ病害虫抵抗性等を有する優良品種の育成が進んでいることなどを報告した。
 続いて登壇した農研植物病院の眞岡氏は、同社が北海道農業・バレイショ産業に果たす役割をテーマに講演した。昨年1月に設立された農研植物病院については、「農産物輸出拡大と侵入病害虫対策に貢献し、日本の農業を強くする」をパーパスとして掲げる、農研機構出資のベンチャー企業であると説明。同社が北海道農業やバレイショ産業に果たす役割として、(1)輸出検疫検査業務(2)国内病害虫検査業務(3)IPM(総合的病害虫・雑草管理)に関するコンサル業務―の3点をあげた。そして「北海道のバレイショを強くすることが、北海道の農業を強くすることにつながる。北海道の農業を強くすれば、日本の農業も強くなる。農業が強くなれば、社会も強くなる。一緒に取り組んでいきましょう」と、会場に呼び掛けた。
 フォーラムの最後には、日本スナック・シリアルフーズ協会会長の伊藤秀二氏が、講演内容に触れながら講評を述べた。その中で伊藤氏は、「競争」によって成長する段階は終わり、「共創」によって全体の需要・価値を増やすことに集中すべきだと指摘。バレイショ産業における第1次産業、第2次産業、第3次産業のそれぞれが、どのようにしてより大きな価値を生み出していくかを考えていく必要があるとした。また、バレイショは、日本の作物の中でも競争力が高いとし、将来、世界で勝負できる産業へと発展するために、改めて原点に返って進めていきたいと述べ、3時間半にわたるフォーラムを締めくくった。

カテゴリー別最新ニュース