省力・低コスト造林の技術指針/林野庁策定へ

林野庁は、昨年7月の大阪会場を皮切りに、8月の長野、9月の秋田、11月の宮崎、そして1月24日の都内秋葉原と全国5会場で開催してきた「省力・低コスト造林技術の普及に向けたシンポジウム」が一段落したことを受けて、これから、同シンポジウムで案として説明してきた「省力・低コスト造林に係る技術指針」づくりを進める。シンポジウムで寄せられた意見、提案などを採り入れて、現場が取り組みやすい技術的な指針として年度内に示していくと同時に、解説書なども併せ作成して、林野庁として初めて策定する「省力・低コスト造林に係る技術指針」の普及、浸透、そして定着を図っていく。
林野庁が造林技術の関係で技術指針を策定するのは今回が初めて。全国の主伐面積に対して約4割程度にとどまっている再造林の割合を高めていくのが狙いだ。このため、主伐後の再造林が進まない背景として指摘されている、山村地域において(1)過疎化や高齢化が進み、森林管理の意欲が減退している(2)林業の収益性が悪く、その後の再造林費用が賄えない(3)林業従事者、とりわけ造林作業手が減少している―などのボトルネックが解消するような技術の確立・実践が問われている。
特に造林コストを低減し、作業そのものを省力化する技術が求められている。具体的には、苗木生産の効率化(コンテナ苗の導入、生産工程の高度化)、地拵え・植栽の効率化(伐採と造林の一貫作業システムの導入)、植栽効率の向上・育林作業の機械化(低密度植栽の実施、下刈り機械の導入)、下刈りの省力化等(エリートツリー等の活用、大苗の活用、下刈り回数や方法の見直し)などだが、各地で行われている様々な取り組みを体系的に取りまとめようとしているのが今回の「技術指針」だ。
全国5会場で示した「省力・低コスト造林に係る技術指針(案)」では、第1趣旨、第2本指針の対象範囲、第3用語の定義、第4通常の造林技術、第5具体的な省力・低コスト化技術、第6標準的な組み合わせ、第7その他で構成。すでに標準化されている技術についてまとめるとともに、その効果や根拠について解説している。
1月24日に都内秋葉原の富士ソフトアキバプラザ5階アキバホールで行われた「省力・低コスト造林技術の普及に向けたシンポジウム」には、会場とWeb併用とで約400名が参加した。最初に林野庁次長の小坂善太郎氏の開会挨拶に続いて、林野庁造林間伐対策室長の天田慎一氏が「省力・低コスト造林技術指針(案)」を説明。
次いで、全国森林組合連合会組織部林政課課長の香田晃代氏が「低コスト再造林プロジェクトの取組について」紹介した後、基調講演として森林総合研究所研究コーディネーターの宇都木玄氏が「林業のコストパフォーマンスを見据えた造林作業」、宮崎大学農学部教授の伊藤哲氏が「エリートツリー等を活用した低コスト再造林の可能性とリスク」と題し、それぞれの立場から造林の現状と今後を展望した。
この後、パネルディスカッション「―省力・低コスト造林について―」と題し問題点などを掘り下げた。









