広がるデータ駆動型農業/農研機構つくば植物工場研修会

農研機構野菜花き研究部門(磯崎真英領域長)は1月20日、都内のTKPガーデンシティPREMIUM東京駅日本橋で、令和6年度農研機構つくば植物工場研修会「データ駆動型農業における国内外の取り組みおよび社会実装に向けて」を開催した。施設園芸の高収益化や人材育成、データ駆動型スマート農業における先端技術導入への理解を深める目的で実施したもので、これには関係者約100名が参加。開会挨拶した磯崎領域長は、同研修会は日本施設園芸協会の支援を得て毎年開催していると謝意を述べ、今回は海外におけるデータ駆動型農業や担い手育成の取り組みなどを紹介するので参考にしてほしいと語った。
会では、▽オランダのデータ駆動型農業や担い手育成(農研機構野菜花き研究部門主任研究員・筧雄介氏)▽中国のデータ駆動型農業や担い手育成(OATアグリオ(株)・岡准慈氏)▽韓国のデータ駆動型農業や担い手育成(農研機構野菜花き研究部門グループ長・安東赫氏)▽NARO生育収量予測技術の開発(農研機構野菜花き研究部門上級研究員・菅野圭一氏)―の4講演及び総合討論が行われた。
筧氏によると、オランダではスーパーや種苗会社などが全て大規模化して強い価格交渉力を持っており、その対抗策かつ国策として生産者の大規模化が進展。大規模農家は集まって生産者団体を設立し、設備投資を進めており、同団体による施設面積は平均80ヘクタール、合計1100ヘクタールにのぼり、これは国全体の施設面積の5割以上を占める。団体では構成農家の栽培記録を共有して栽培・経営の効率化を図っており、省エネやGHG削減、カーボンフットプリントなどに団体全体で取り組んでいる。また、オランダではデータ駆動型農業のサービス化が進み、生育診断ロボットや温室環境・収量予測ソフトによる栽培コンサルが盛ん。(1)温室から収集した生育・環境情報と天気予報情報などを組み合わせて、ハウス内環境予測と自動制御を行う(2)栽培者の目的に従った環境自動制御を助ける―などのサービスが提供されているとした。
一方で、同国農業の課題として、高齢化と後継者不足、大規模化進展による新規参入の困難、労働イメージの改善、担い手育成に関する国の補助不足、化学農薬低減、物価・電気代高騰などがあげられ、対策の1つとして、データ駆動型農業の更なる促進により作業時間短縮・自動化・高収益化を目指すことが求められるなどと語った。









