今週の本:物作り人生の記録/元静岡製機常務・宮武氏が出版

1人の卓越した農業機械技術者による、物作り人生を振り返る本が刊行された。元静岡製機(株)常務取締役であり、同社を定年退職後も様々な企業にて製品開発に携わってきた宮武義邦氏がこのほど、私家版として出版した「充実した物作り人生の記録―多くの出会に感謝して―」である。目次をみると、(1)はじめに(2)生い立ち(3)静岡製機に入社(4)技術部での製品開発スタート(5)新規事業として保冷庫事業の立ち上げ(6)精米・選別機事業の立ち上げ(7)海外企業との連携(8)開発事業参加と社外団体活動(9)未知の世界を経験(10)家庭と趣味の両立(11)定年後の取り組み(12)あとがき(13)年譜(14)参考資料―と盛り沢山。流石は同社技術部で40年余り製品開発に従事し、さらに日農工乾燥機部会・技術委員長を務めるなど社外活動も行い、定年後も精力的に製品開発に携わっている宮武氏である。社内外で多くの物作りの仕事に携わった経験を詳細に記しており、帯のコピー「物作りは楽しい」が貫かれた内容となっている。物作りの一部をみると、技術部配属直後のスロワー開発に始まり、同社初の循環型乾燥機SPD―24、業界初の全自動型乾燥機SUC、新規事業である保冷庫や精米・選別機の開発と成功など。同社の基軸となる製品や事業に携わり、開拓していった軌跡がみてとれる。さらに「主力製品として取り組んだものよりも、製品化に至らなかった、ほとんどの人に認知されていないものにも焦点を当てた」としており、その製品群の豊富さは目を見張るものがある。時に失敗もしつつ、多くの出会いを活かしながら製品開発を進めた道のりは読んでいるだけで楽しく、業界関係者にとって大いに参考になる。折々に挟み込まれたメモやコラムも、氏の誠実で温かい人柄が伝わってくる。









