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令和7年1月27日発行 第3537号 掲載

自動化や遠隔操作化を重視、まだ課題多い電動/林業機械特集

 現在、林業機械に寄せられる期待は大きく、強い。林業の現場を革新していく役割を担っているからだ。
 国が進めている開発事業では、自動化・遠隔操作化を採り入れた課題が着々と成果をあげている。昨年7月に林野庁が立ち上げた「林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策検討会」(座長=陣川雅樹・森林総合研究所主任研究員)が年度内にこれまで協議してきた内容をガイドラインとしてまとめる。自動化・遠隔操作化に向けても新たな段階を迎えることとなる。
 現状はどのようになっているのかみてみよう。林野庁がイノベーションを進め、加速させるために設置した森ハブ(林業イノベーションハブセンター)が昨年まとめた「林業機械の自動化・遠隔操作化に向けて」では次のように示している。
 現状を(1)我が国の林業機械開発においては、労働人口減少対策、労働安全性向上といった目的から、自動化・遠隔操作化に関する林業機械開発が進められている(2)林業機械の自動化・遠隔操作化については、その将来像を「林業イノベーション現場実装推進プログラム」等において提示しており、毎年それらの実現に向けた機械開発・実証事業が展開されている―としながら、目的として次の2点をあげ確認している。
 (1)イノベーションプログラムにおいては、林業イノベーションにより、自動化機械等の普及により省力化・軽労化、生産性・労働安全性の向上、国内林業全体のコストダウン・労災事故数低減の実現、および3K林業(きつい、危険、高コスト)からの脱却が目的とされており、林業機械の自動化・遠隔操作化はまさにその目的達成の重要な要素として位置付けられる。
 (2)日本国内の林業施業地の中には傾斜・地質等の諸条件により林道・作業道の開設が容易ではないなど条件が厳しいエリアが多い。主に素材生産事業の生産性を高めるためのハーベスタの大型化も進展しているが、そのような道が細い林業施業地ではそもそも機械の大型化が困難であるという課題がある。このようなエリアにおいても、自動化・遠隔操作化技術が活用され、生産性・労働安全性の向上が可能になることが目指される。
 こうした目的に向かって開発が進んでおり、既に実用機として市販されている製品も登場。また、AI搭載の架線集材用機械や自動走行式のフォワーダ、さらには再造林の広がりとともに注目されている自動下刈機などは、林業機械化協会が主催する「森林・林業・環境機械展示実演会」に出展、デモンストレーションが繰り広げられるまでになっている。機械としてより身近な存在になりつつある。
 一方、各産業機械分野で2050カーボンニュートラルの実現に向けて取り組みが進んでいる電動化について、林業分野の対応はどのようになっているのだろうか。
 先のレポート「林業機械の自動化・遠隔操作化に向けて」では、日本における林業機械のベースマシンの多くが建設機械であることから、建設業界における電動化の状況と、森林と同様にインフラがない環境下で稼働する海運業界における状況とを取りまとめ、参考として示している。
 共通の課題として、(1)バッテリーが非常に高価なため、機体の価格が従来機の数倍になる(2)バッテリーの稼働時間及びパワーの確保(3)過酷な現場条件下(振動・衝撃・粉塵)での安定した稼働を示し、林業においても特にコストが課題であると指摘。
 さらに日本の林業機械が建機をベースマシンとしているものが多いため、建設業界の動向に左右されてしまうことから「今後建機の電動化が標準した際に林業業界としてのコスト面での対応が厳しくなる」と懸念し、ダウンサイジング技術や林業用の機械を別途開発することを検討する必要があると要請している。
 まだまだ電動化の実現に向けては克服すべき課題は多いようだ。

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