農機販売会社視察/欧州視察から―伊仏の農業に浸る5

視察団一行はイタリアのボローニャを後にし、フランス入り。4日目の午前中はパリから西へ約100キロほどの場所に位置する農機販売会社のレ・ゴフ&ジルを訪れた。同社社長のレミ・ジルさんに対応していただき、拠点内の展示スペースや整備工場、小物販売用店舗などを案内してもらった。
同社の取り扱いメーカーは、マッセー・ファーガソンやアマゾーネ、クローネ、モノセム、キオティ、スチールなど大小様々な製品や部品を取り揃えている。
ここムソーヌーヴィルの本社を含め3拠点を構え、総売上げは800万ユーロ(約13億円)。新品販売が60%、修理整備が15%、部品が10%、中古が15%といった内訳である。
従業員は30名。そのうちセールス4、販売員4、整備士16、事務員が6。顧客は農家を中心に300~400軒ほど。圃場規模は150~300ヘクタールといった大規模農家。穀物栽培が中心で、畑作がメーンだ。扱うトラクタの平均馬力は200PS。その他に景観整備に使う芝刈機を役場や個人向けにも販売する。部品は在庫もしているが、KRAMPという膨大な部品が揃っているプラットフォームから注文すると、24~48時間で届くとのことだった。
同社の繁忙期は春と秋だが、クリスマス休暇の2週間以外は常時仕事があるような状態である。マッセー・ファーガソンのトラクタは別の拠点で2、3台在庫していることもあるが、現在は在庫切れ。年間12台程度は売り上げる。韓国のキオティ社の小型トラクタも同程度販売する。
団員がフランスの農家について尋ねると、平均年齢は55歳で、日本に比べれば10歳以上若いが、それでも高齢化は問題だと教えてくれた。また、各農家の大規模化は進んでいるが、農業そのものが縮小しており、日本と同様の問題を抱えているとも話した。
視察団員が日本製についての印象を尋ねると、「昔からやっているのでクボタは有名。ヤンマー、ヰセキ、ホンダも良いですね」との回答。一同で盛り上がる場面もあった。
整備のニーズは日本同様に高まっているそうだ。整備費用は時間当たり72ユーロ(約1万2000円)。日本に比べればやや高めか。
同社でも技術者が足りないとのことで、「日本のメカニックがいたら、ぜひこちらに連れてきてほしい」というレミ社長の冗談に対し、「年収1000万円で雇ってくれませんか」と手をあげる団員もおり、「そこは交渉させてほしい」との答えだった。
中には、スマホの翻訳機能を使って、果敢に現場のメカニックとコミュニケーションを図ろうとした視察団員もいた。
出発時間ぎりぎりまで活発に質問が飛び、団員の好奇心の高さに、同行した添乗員の方も驚いていた。









