期待かかる収穫ロボット/新技術の提案進む野菜作

野菜作の重要性と注目が年々高まっている。周知の通り、国は主食用米の需要が毎年減少している中で、水田農業の高収益化を図るべく、野菜や果樹等の高収益作物への転換を進めている。さらに、昨年4月には国産野菜の活用拡大を図る「国産野菜シェア奪還プロジェクト」及び、サプライチェーンの各関係者が集う同プロジェクト推進協議会を設立。生産流通方式を加工業務用に最適化し、産地の多様化などを進めて周年供給体制を実現していくとしている。また、昨今の話題としては、ブロッコリーが令和8年度から農林水産省が定める「指定野菜」に追加が決定したことなどがあり、こうした品目の生産についてもますます注目が集まっている。関連する話題をみる。
水稲作に比べて遅れている野菜作の機械化。労働時間が大幅に長く、特に機械化が遅れている収穫、調製や包装・出荷作業に時間を要しているのがネックとなっている。そうした事態を打破しようと、野菜作の機械化が進んでいる。
動きの一部をみると、指定野菜への追加が決まったことで注目が集まるブロッコリーでも新技術の提案が進んでいる。ブロッコリーは全国で作付け面積が増加。国内産地も増え、予冷施設や冷蔵輸送が整い、国産ブロッコリーの周年供給体制が確立。新品種や機械化一貫体系などの栽培技術が提案されている。
(株)サカタのタネは農林水産省の令和6年度(第25回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰において、「多様なブロッコリー品種群の開発による生産拡大、周年生産への貢献」で、農林水産技術会議会長賞を受賞。早生性・耐暑性・低温伸張性などを有した適応性の広い品種を開発して高品質な花蕾の安定的生産に寄与。国内作付面積の増大と消費拡大に貢献したと高く評価されている。
野菜流通カット協議会では、北海道から九州まで全国の圃場において、機械収穫をはじめとした機械化一貫体系の実演やセミナーを実施。ヤンマーによるミッドマウント管理作業車やブロッコリー収穫機の実演では、毎回多くの関係者が作業の様子を注視している。
また、昨年12月に埼玉県で開催された「スマート農業推進フォーラム2024in関東」では、会場内でスマート農業技術展示会が行われ、そのうちプロダクトソリューションエンジニアリング(株)は、3年度補正予算「戦略的スマート農業技術等の開発・改良事業」にて共同開発を進めているブロッコリー選別自動収穫機を紹介した。同機は、ブロッコリーの花蕾サイズをAIにより自動認識し、設定された収穫サイズのみを選別して、外葉切断、収穫回収を、走行しながら自動で行う機械。クローラ走行で2条同時収穫(1畝1条植え対応)が行える。リチウムイオンバッテリー搭載のオール電動機で静音化を実現し、CO2削減にも貢献。実証の結果、作業能率は10アール当たり1・8時間で収穫成功率は85%以上、刈り取り形状は人手収穫と同レベルを実現しつつも人手の約5倍の作業効率が達成できた。同社によると、現在試作機の実証を全国で進めており、実用化は数年後の予定だが、実証の評判は上々だという。
また、(株)レグミンはネギの農薬散布自走ロボットを開発し、オペレータを派遣して散布代行のサービスを展開している。さらに昨年はJAグループのアクセラレータープログラムにて、収穫後のネギの根葉切りと皮むきを省力化するネギ調製装置を開発した。独自のAI技術を活用し、ネギをトレイに置くだけで、画像解析で根の位置を推定。切断位置を自動調整しながら適切な根葉切りを実施するもので、今後はさらに全国のデータやニーズを集めつつ、完成度をさらにあげ、全国展開を目指すとしている。
一方、(株)デリカは昨年、レタス収穫機を発売。4馬力の空冷ガソリンを搭載し、走行部はクローラ、2畝同時に収穫可能で能率は人力の約10倍。加工用のレタスを対象とし、外葉を切ったレタスをそのまま人がコンテナに積むことができる。令和2年1月に事業継承した旧片倉機器工業(株)からデリカが開発を継続し、8年を経て完成したという。
土地利用型農業に比べ機械化が遅れており、いまだ手作業が多い野菜作。今年もこうした新しい技術の開発と提案に期待が寄せられている。









