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令和7年1月6日発行 第3534号 掲載

検討進む食料・農業・農村基本計画/農政審議会企画部会

 農林水産省の食料・農業・農村政策審議会企画部会(中嶋康博部会長)は、昨年末に開催した第115回会議で、食料・農業・農村基本計画の検討会におけるこれまでの議論を踏まえた検討の視点の整理を行った。ここから、米、麦、大豆、野菜、果樹の生産に関する内容をみる。
 〈米〉
 生産コストの低減を通じて農業者の所得確保及び稲作農業の体質強化を図るためには、地域計画を活用した農地の集積・集約化や農地の大区画化等の基盤整備はもとより、生産コストの把握・低減に係る技術実証や人材育成等の総合的な取り組みや、多収性・高温耐性を備えた品種の開発・普及やスマート農業技術の導入推進、適量施肥等による物材費低減の推進等を図っていくことが必要ではないか。
 米粉に適した品種の開発・普及等を行い、需要に見合った生産を図ることが必要ではないか。
 有機栽培について、技術の普及に向けた指導体制の構築や省力化・効率化に資する機械除草体系の確立・普及を進めるとともに、単収が低く不安定な移行期の重点支援を図ることが必要ではないか。
 また、収量低下や生物多様性保全に留意の上、中干し期間の延長の取り組み推進や、その他のメタン削減技術の開発・利用を進めることが必要ではないか。
 将来にわたって安定運営できる水田政策を実現するため、2027年度以降の水田政策の見直しの検討や、米の備蓄のあり方の検討が必要ではないか。
 〈麦〉 
 実需者が求める品質水準を満たすため、高品質で安定生産が見込める多収品種の開発、排水対策等の営農技術の導入支援が必要ではないか。
 安定的な数量・品質での供給を実現するため、(1)多収品種、耐病性品種等の開発・普及、集約化やブロックローテーションの導入、畑地化などによる生産性の向上(2)大規模化に向けた受託組織等の育成、大区画化や汎用化等の土地改良事業、スマート農業技術等を活用した効率的な栽培体系による適期作業の推進(3)品種転換等による実需のニーズを踏まえた産地形成の取り組みへの支援が必要ではないか。
 〈大豆〉
 適期作業を推進するため、大規模化に向けた受託組織等の育成、大区画化や汎用化等の土地改良事業、スマート農業技術等を活用した農作業の効率化や、需要や地域の作業適期に応じた品種選択を図ることが必要ではないか。
 安定的な供給を実現するため、極多収品種の普及推進と更なる開発の加速化、排水対策等の営農技術の開発と導入、集約化やブロックローテーションの導入、畑地化などによる生産性向上の取り組み支援が必要ではないか。
 〈飼料〉
 地域の実情や需要に応じた国産飼料の生産・利用の拡大を図るため、以下の推進が必要ではないか。
 耕種農家と連携した飼料生産を含めた地域計画の策定を促進。
 青刈りトウモロコシ、牧草、ソルゴー等の飼料作物について、栄養価や省力生産の観点も含め、需要に応じた品質・数量の生産と持続的な流通体制の構築。
 コントラクター等の外部支援組織の運営強化。スマート農業技術や新品種の開発・普及、草地の整備・改良。
 飼料穀物の備蓄への継続的支援や多様な調達先の確保が必要ではないか。
 飼料輸送の合理化、配合飼料工場の再編の更なる推進が必要ではないか。
 〈野菜〉
 担い手が減少する中でも、家庭用、加工・業務用を合わせて需要に見合う供給量を確保するため、国産野菜の生産基盤の維持・強化に向けて、(1)スマート農業技術・省力化品種等の開発・導入(2)地域計画を活用した農地の集積・集約化や基盤整備などによる生産性の向上・コスト低減を進める。
 さらに、特に国内消費の約3割を輸入が占める加工・業務用野菜については、国産シェアを奪還・拡大していく観点から、(1)国産転換に向けた実需者ニーズに応えた産地育成(機械化適性品種・大型品種の導入、機械一斉収穫の導入、出荷規格の簡素化等)や(2)複数産地、加工・流通、実需等が一体となったサプライチェーンの強靱化(流通体制の合理化、冷凍・加工施設の整備等)に取り組み、周年安定供給体制の構築を図ることが必要ではないか。
 環境負荷の低減に向けて、ハイブリッド型施設モデルの作成による普及促進等や中長期展張フィルムや生分解性マルチの導入などが必要ではないか。
 〈果樹〉
 労働生産性の向上のため、地域計画を活用した園地の集積・集約化や基盤整備を進めるとともに、省力樹形等の導入、スマート農業技術の開発・導入、省力化栽培への適性や高温適応性を有する品種、化学農薬使用量削減にも資する病害抵抗性の品種等の開発・導入を強力に進めることが必要ではないか。その際、大規模な経営体の育成・参入や、省力樹形等の導入による省力的な樹園地への転換をスピード感を持って実現するための取り組みの検討が必要ではないか。
 新規就農者を増やし、担い手の減少を緩和するため、高度な技術の習得や園地の確保、未収益期間の克服など果樹特有の課題の解決に産地が取り組む果樹型トレーニングファームの取り組みを推進することが必要ではないか。
 サービス事業体等を活用した労働力の確保、作業の省力化などによる季節的な作業ピークへの対応や労働時間の平準化が必要ではないか。
 果樹生産に必要不可欠な花粉・苗木について、産地の生産・供給力の強化を推進することが必要ではないか。

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