農家の購入意欲向上:秋田展アンケートから/新春特別企画

第76回秋田県農業機械化ショー(主催=秋田県農業機械化協会・白石光弘会長)が昨年11月1~5の5日間、秋田県鹿角市の鹿角市総合運動公園にて開催された。同ショーで毎年実施している来場者対象の農家アンケートを、前年に引き続き実施した。秋田県産米の豊作ならびに米価値上がりの追い風を受けて、来場農家の営農意欲や投資意欲が高まったように感じられた昨秋の農機ショー。アンケートの結果をみると、前年に比べ「農機を購入する予定がある」回答がやや増加し、「購入する予定がない」回答が大きく減少しており、農家の機械購入意欲は数字にも表れている。ここでは、秋田県農業機械化ショーで実施した農家アンケートの結果概要を取りまとめた。
東北の大型農機展の掉尾を飾る秋田県農業機械化ショー。同ショーは農機業界各社にとっても最新鋭機械を発表・発信・PRする展示会として捉えられており、今年の農機市場を占う重要な場として認識されている。
昨年の第76回秋田県農業機械化ショーは9年ぶりに鹿角市で開催された。5日間で延べ62万人もの来場があり、非常に活気にあふれた農機ショーとなった。
秋晴れの麗らかな日差しの下で、会期2日目の11月2日の午前中に、来場農家500名を対象とした農家アンケートを実施した。今回の設問数は22問。営農形態や農機ショーの来場目的、農機の更新・導入意向、スマート農業への関心、情報入手先、中古農機査定士制度、農作業事故、農機整備の習慣についてなど、幅広い内容の質問が並んでおり、農家の営農実態に迫るアンケートとなっている。
アンケート結果概要を見ると、農機の購入意欲については「農機を購入する予定がある」回答が32・8%となり、前年の31・3%に比べ1・5ポイント増加した。「購入する予定がない」は46・2%で同59・7%に比べて13・5ポイント減少し、無回答21・0%は同9・0%に比べて12・0ポイント増加した。昨年は米価上昇の追い風を受けて、実際に農機を購入しようという意欲が農業現場においてもやや上昇したようにみられる。とはいえ、物価高や人件費高騰など厳しい状況は変わらず、慎重な姿勢で躊躇・検討している向きが多いことも無回答の増加に伺える。
「購入予定がある」回答の人に、具体的な機種を聞いたところ、記入があった回答のうちコンバイン22及びトラクタ21が群を抜いて多く、次いで田植機8、乾燥機5、草刈機・管理機・ドローンも3ずつと続いた。やはりトラ・コン・田の主要機種の需要が高いものの、中でも高額であるコンバインが筆頭にあがったのは注目に値する。
「農機の更新や導入についてどうお考えですか」(複数回答)の質問については、「いい機械があったら積極的に導入」が43・0%で最多となった。前年の42・3%に比べても0・7ポイント増と微増しており、購入意欲の向上が感じられる。次いで「手持ちの機械で間に合わせる」22・8%(前年比1・8ポイント減)、「中古で間に合わせる」17・4%(同2・9ポイント増)、「集落営農に伴い共同所有」7・4%(同1・4ポイント増)、「リース・レンタルを考える」3・6%(同0・4ポイント増)―などの結果となった。
また、「機械を導入する際、何を基準に判断して選んでいますか」(複数回答)の問いでは、「メーカー(ブランド)」が46・8%(前年比1・5ポイント減)で前年に続いて首位。基準の優先順位は前年からほぼ変わらず、2位以降は「価格」23・2%(同2・5ポイント減)、「ディーラー・JA」15・8%(同4・6ポイント増)、「下取り条件」7・8%(同0・7ポイント増)、「公的資金の斡旋」3・6%(同0・7ポイント増)、「長期のローン設定」2・4%(同0・5ポイント増)―などとなった。メーカー・ブランドで選ぶ農家が約半数にのぼり、次いで価格が2位となっている。
一方、「農機販売店、JA(農機購買)に対して何をお望みですか」(複数回答)の問いでは、こちらも順位は前年同様となり、「修理等サービスの充実」55・8%(同8・0ポイント増)のトップに続いて、「品揃え、関連商品の充実」28・6%(同5・6ポイント増)、「営農情報の提供」12・8%(同1・5%増)、「公的資金申請書類の作成・指導」6・6%(同1・9ポイント増)、「イベントの紹介」4・0%(同0・4ポイント減)、「作業受委託の斡旋」3・8%(同0・9ポイント増)―などが多い結果となった。修理などサービスを望む声は前年より増えており、アフターサービスの充実がますます求められている。
他方、スマート農業についての質問では、「興味がある」61・6%(同2・1ポイント減)、「興味はないが知っている」16・0%(同2・2ポイント減)が前年より微減したものの、「導入を検討している」8・0%(同1・6ポイント増)や「実際に使っている」5・6%(同1・6ポイント増)が増えており、実装のフェーズに移行した層が増えているのが読み取れる。
さらに具体的にどんな技術に興味があるか・使っているか聞いた質問では、多い順に「ドローン」40・6%(同0・8ポイント減)、「自動操舵ガイダンス」16・4%(同2・7ポイント減)、「営農支援システム」10・2%(同1・1ポイント増)、「直進キープ機能付き農機」9・6%(同0・8ポイント増)、「水管理システム」6・0%(同2・5ポイント減)、「可変施肥」4・4%(同0・7ポイント増)―などとなり、この順位も前年とほぼ同じ。ドローンへの関心が高いのは前年から変わらずだが、自動操舵や直進機能付き農機への興味が増加しているのもみて取れる。
また、今回初めての質問となった「農業経営を行う上での情報の入手先はどこからですか」(複数回答)については、「人から」80・0%、「媒体から」45・4%、無回答10・0%となり、人から情報を得るケースが群を抜いて多いことが判明した。人から情報を得る場合、具体的に誰から得るかについては「JA」50・4%、「メーカー担当者」22・6%、「普及員」7・6%となり、JAやメーカー担当者の役割が重要となっている。媒体から得る場合は「新聞」24・8%、「TV」21・0%、「雑誌」12・8%、「SNS」6・0%などとなった。









