木材チップ活用の現場から:諸岡が見学会/新春企画

限りある資源をいかに有効に活用していくのか。これに対応する動きは、あらゆる産業分野で進められている。林業また然り。従来は林内に放置していた末木や枝葉を搬出し、資源として活かそうという事業活動が広がりをみせている。農林水産省が公表したバイオマスエネルギー調査でも間伐材・林地残材に由来する木材チップの量は増加傾向を示し、その消費先では木材チップの取り合いという表現も聞かれる。いかに効率的に素材を供給し活用を図っていけばいいのか、それぞれの現場の模様をみた。
国内の森林資源の大方が利用期を迎え、また、地球温暖化ガスの低減に寄与する木質資源の価値を勘案すれば、その活用に向け、山元の体制整備はもとより、最終消費先までのパイプづくりがますます重要になる。
そうした活動の一例として、昨年11月に(株)諸岡(諸岡昇社長・茨城県龍ケ崎市)のサプライヤー組織・諸岡協力会が実施した木質バイオマス利用現地見学会の模様を振り返る。初めに視察したのはカナデビア(株)(大阪市住之江区南港北)が運営する宮の郷木質バイオマス発電所(茨城県常陸太田市)。2015年11月に操業を開始し、発電規模は一般家庭約1万2000軒分に当たる5750キロワット。1時間当たり7・6トン、年間では約6万3000トンの未利用材チップを消費している。
特徴的なのは、地元29の林業体、チップ組合、同社、茨城県、常陸大田市、茨城県森連などが加盟する「宮の郷木質バイオマス燃料安定供給協議会」を形成して原料の安定調達を図っていること。また、原料ヤード、チップ工場、発電所が隣接し、原木貯木場で原木を半年間寝かせて含水率を35~55%に安定化させてから破砕↓燃焼させている点だ。全体的に効率のいいシステムとなっており、日に約2トン排出される灰はセメントと混練、再生砕石として路盤材などに再利用と、環境に負荷の少ない施設でもある。茨城、栃木、福島の県産未利用材を活用しており、地域の森林・林業をバックアップする施設として、今後の順調稼働が期待される。
一方、山の現場では、これまで価値化されなかった末木、枝葉を搬出し、チップとして供給する動きが活発に進められている。諸岡は「グローバル・グリーン事業」としてフォワーダ、バイオマス対応型フォワーダ、各種木材破砕機などの開発・供給で、そのバックアップに力を込めており、今回の見学会は、同社製品がどんな現場でどのように活かされているのか、協力企業に実地にみてもらう目的があった。
訪ねたのは、同社製品を愛用する真名畑林業(有)(菊地正人社長・福島県白川郡塙町)が作業を進める伐採現場で、立木伐倒後に末木・枝葉を収集・搬出し、破砕機で粉砕する仕事を進めている。使用機種は諸岡の8トン積みフォワーダと横投入型の木材破砕機MRC―3000。木材破砕機への材の積み込みはロータリーフォーク(松本システムエンジニアリング製)を使っている。ちなみに同所に移動する道すがらでは、先の発電所近くの常陸ウッドリサイクル協同組合に立ち寄り、同社の上投入型木材破砕機MC―6000を見学した。
菊地社長は参加者を前に、現場からの要望、提案を諸岡に伝えいろいろと改良してもらってきたとしながら、「木材チップを供給する仕事に取り組み、まだ思うようにはいかないが、作業の効率化を図り、製品を高く売れる営業努力も進めて、採算を良くしていきたい。機械はまだ改良の余地があるし、なるべく安い機械を提供してもらいたいという思いもある。皆さんのご協力で最高の製品を創り上げてほしい」と今後のさらなる進展に期待を寄せた。









