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令和6年12月16日発行 第3533号 掲載

農業構造改革への胎動/今年を振り返って

 令和6年は、我が国農業にとって、変革に向けた胎動の年だったと言えるだろう。農政は、食料・農業・農村基本法の改正を受け、新たな食料・農業・農村基本計画の検討がスタートした。食料・農業・農村政策審議会企画部会での議論で、農業者の減少、気候変動への対応、地域政策のあり方など、様々な課題が浮き彫りになってきている。これらを踏まえて来年3月を目途に策定される新たな基本計画は、令和7年度から集中的に実施される農業構造改革対策の方向を示すものとなる。また、今年の急激な米価の上昇は、農業関係者の経営意欲を高めるものと期待される一方で、消費者の米離れを誘因するとの懸念もあり、農産物の適正価格とは何かの議論の必要性が改めて認識された年でもあった。令和6年を振り返る。 令和6年を振り返ると、元日の能登半島地震に始まり、異常気象による高温、豪雨など多くの自然災害に見舞われた年であった。こうした自然災害の農業へのインパクトはますます強まっており、昨年の猛暑による令和5年産米の品質低下は、今年の米需給に大きな影響を与え令和の米騒動と呼ばれる米の供給不足を招いた。
 米に限らず、あらゆる農作物が気候変動、自然災害の影響を免れることはできず、スマート農機、ICT、品種開発など様々な技術で、こうした課題を解決していくことが、これからの農業の大きなトレンドだと考えられる。
 農政は、「みどりの食料システム戦略」を軸に、環境負荷低減や脱炭素化に向けて対策を強化。また、改正食料・農業・農村基本法では、農家減少、気候変動対応、環境負荷低減などの課題を克服するため、生産方式の転換やスマート農業の進展など新たな方向性が打ち出された。来年は、これら政策が実行に移される年である。
 今年の農業機械市場は、長かったコロナ禍を乗り越え、各地での展示会の復活など、各社で活発な営業活動が行われ、通常の営業活動が完全復活した年だったといえよう。しかし、国際情勢の不安定要素がいまだに継続し、原油・物価の高騰とともに、部品など資材調達が依然、困難な状況にあるなど、先行きはまだ、不透明である。米価は6年産米についても高値で推移している。苦戦が強いられた今年の農機市場だが、ここにきて、この米価の上昇が、農家の購買意欲を喚起するものと期待が高まっている。
 こうした市場環境の下、農機の動きに関しては、一般社団法人日本農業機械工業会の部会長報告などによると、全体的には生産資材の値上がり、燃料費の高騰、製品安全の価格改定の影響により、低調に推移した。小・中型クラスでは、個人農家の高齢化や後継者不足による離農などの影響が顕著に現れている。一方、大型クラスは、スマート農機への関心の高まりや農地集約により、堅調に推移している状況となった。
 今後、農業の構造改革がどのように進んでいくのか、動向を注視したい。

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