企画部会が米の現状分析/田植機・育苗関連機器特集

新たな食料・農業・農村基本計画を検討している食料・農業・農村政策審議会企画部会の資料から、米に関する現状分析をみる。
米の消費については、食生活の多様化や、特に高齢世代における消費減等を背景に、長期的に減少傾向で推移。1人・1年当たりで見ると近年減少度合いが緩やかになっているが、人口減少効果が加わることでマクロでは年10万トン程度の需要減が続いている。
米粉については、米粉の特徴を活かした商品の開発を通じて需要の拡大に取り組んできた結果、需要量は増加傾向で推移しており、2023年度の需要量は約5万トン。
輸出については、米・パックご飯・米粉及び米粉製品が「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において輸出重点品目の1つに選定されており、輸出促進法に基づく認定品目団体である「全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(全米輸)」等と連携して戦略的なプロモーションのほか、高まる海外ニーズや規制の情報、輸出事例に関する情報提供等を実施。また、2024年8月末時点で30産地を輸出産地に指定しており、多収品種の導入や作期分散等、生産・流通コスト低減に資する取り組みへの支援等を通じて、輸出向けを含む新市場開拓用米の生産拡大を推進。こうした取り組みにより2023年の米・パックご飯・米粉及び米粉製品の輸出量は、前年比28%増の3・8万トンを達成。
生産段階では、年10万トン程度の需要減が続いている状況を踏まえ、需要に応じた生産・販売を推進している。
水稲は規模拡大により生産コスト削減効果が図られる典型的な作物であることから、農地の集積・集約化による分散錯圃の解消や多収品種やスマート農業技術等による多収・省力化栽培技術の開発、普及を推進。その結果、単位面積当たり労働時間は低下しているものの、近年の肥料・農薬等の物財費や人件費の高騰もあり、米の生産コスト(個別経営体・認定農業者のいる15ヘクタール以上)は1万1374円/60キロ(2013年)から1万807円/60キロ(2022年)と、下げ止まっている状況。政府目標は、担い手の生産コスト9600円/60キロ(2023年)を掲げている。
飼料用米については、単収が主食用米と同水準で推移している(2023年産は556キロ/10アール)ことから、2024年産から多収品種(専用品種)に支援を重点化していく。
また、米は、他品目に比べて有機栽培技術の体系化が進んでおり、有機米のJAS格付け数量は増加傾向にある。2019年度に8483トンだったものが、2022年度は9318トン。一方、我が国における農林水産分野の温室効果ガス排出量のうち、水稲栽培からのメタン排出が占める割合は約27%(2022年)。
加工・流通段階では、生産者↓JA等集荷業者↓卸売業者(精米業者)↓小売・実需の流通ルートが基本であるが、生産者直接販売の割合が近年増加するなど、多種多様な流通ルートが存在。産地銘柄ごとの需給・品質を踏まえ、主に相対で取引・価格形成が行われている。長期的にはライフスタイルの変化等に伴い、中食・外食への仕向割合が増加している。
豊凶変動や価格変動リスクに対応しつつ、事前に販売先や販売数量等を見通すことができる事前契約の拡大を推進しているが、集荷業者の仕入計画数量に占める播種前契約(複数年契約を含む)の割合は、28%(2021年産)↓31%(2024年産)と、伸び悩んでいる状況。
政府備蓄米については、10年に一度の不作(作況92)等にも対応できるよう、100万トン程度を適正備蓄水準として備蓄。政府による買入れ・売渡しが市場へ与える影響を避けるため、通常は主食用途に備蓄の販売を行わない棚上備蓄を実施している。









