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令和6年12月16日発行 第3533号 掲載

地元販売店の動き:強み活かし独自展開/千葉県特集

 「秋は10月と11月の2回、恒例の展示会を実施した。両月とも多くの農家にご来場いただき過去最高の売上げを記録した」と、(株)石川商会の小関友紀子社長は振り返った。
 米価の高騰の影響により、コンバイン、乾燥機、籾すり機、色彩選別機など米関係の機械が順調で、来年に向けて前向きに準備を進める農家が増えている。また、規模拡大が進む中、ライスセンターの乾燥機を増やす、色彩選別機を導入するなどの見積もり依頼が増加している。展示会は元気な農家で活気にあふれていた。
 ヰセキの価格改定前の1・2月の展示会では、駆け込み需要が見られたため、その反動を予想したが、春は大根、キャベツなどの価格が高かったことからトラクタの動きが順調だった。また、中小企業経営強化税制などの制度を顧客に推奨したことも契約につながった。
 その後、米価が上昇、秋商戦に突入し、反動は感じられなかった。
 税制に関しては、今回初めて生産計画書を代行で作成してくれる人を地銀から紹介してもらい、農家とつなげるサービスを行った。「ただモノを売るだけでなく、税制の紹介や書類の作成など、少しでもお客様の役にたてるようにお手伝いできればとやってきた」と、顧客からも好評だったという。
 主要3機種の動きは、前半はトラクタが実績を牽引した。秋以降はコンバインの動きが好調だった。その他、乾燥機、籾すり機などは時期中にすべて完売した。「特に秋商品の動きが良かった」という。
 また、通常だと売れない商品も売れた。「4インチの籾すり機は小規模農家向けの製品のため、これまで動きは悪かったが、秋の展示会で売れた。そのクラスの方が、もう1度お米に向き合ってくれたのだろう」と、米価上昇の影響がここにも見られる。
 今年ヰセキが取り扱いを始めた作業機KUSANAGIも人気が高い。同社では実演を積極的に行ってきたことで完売となり、納期待ちの農家も多いという。
 同社の強みでもある修理・整備の実績は、年々上がっている。「今年は特に節税対策で大型コンバインなど、年内に終わらせてほしいという依頼が多い。刈り取りが終った直後から対応してきたが、間に合わないほどで、フル回転で対応している」と、例年にない忙しさを見せている。今後の取り組みとしては「年内は全ての部署がラストスパートで走りきる」と、小関社長は語った。
 新シーズンに向けては、トラクタをはじめとした主要機の販売に全力をあげていく。また、コンバイン、色彩選別機など来秋に向けての米関連機器の提案にも力を入れていく。
 「元気な農家の動きを止めないよう、しっかりとサポートしていきたい」と小関社長は語った。
 (株)竹塚機械店は、8月から竹塚鋼(つよし)氏が社長に就任した。これまで社長だった竹塚賢氏は、会長に就任した。
 竹塚社長は、事業の後継者育成のための研修を行うヤンマー学院を卒業して以来、20年以上同社で働いてきた。ちなみに竹塚会長は、同学院の1期生だという。入社後は整備、営業と全ての業務をこなし、仕事も顧客も全て把握している。「これまでと仕事はそんなに変わらないが、責任が重くなったことを実感している」という。
 今期の実績としては、前年並みで推移している。特に小売部門に新規の客が増えている。
 新規顧客獲得にはもちろんスタッフの訪問、提案などで増えることもあるが、顧客からの紹介が増えているという。「紹介は我々を信頼してくれている証拠。信頼していなければ人に紹介しないでしょう。紹介は我々にとって財産」と竹塚社長は語る。
 中でも修理依頼をしてくる新規の客が増えている。他店で対応できない修理を頼みにくるため、修理の駆け込み寺となっている。
 また同社では社内及び隣接地に常設展示場を構え、品揃えを充実し、新品、中古農機を展示している。持ち込まれる機械の状態によっては、別のものを購入した方がいい場合もあり、展示されている農機と比較することもできる。在庫を持つのは会社にとっては大変だが、農機を比べることができ、希望の農機を見つけられるなど、顧客に寄り添ったサービスが同社の強みとなっている。
 今後に向けての重点活動としては、春の展示会に向けて事前推進を挙げた。施策としては来年用のコンバインをお得感を付けて提案していく。「シーズンオフにじっくり考えてもらえるようにする」のがねらいだ。
 また新規顧客の獲得も積極的に行っていく。「弊社の良さを知ってもらい、お客様に選ばれるようにすることが大切。長く、良いお付き合いができるよう顧客に寄り添ったサポートをしていく」ことを目指す。
 社長としてのこれからの目標を伺うと「従業員の生活を守り、安定させること」と語った。
 「会社の売上げを上げ、利益を確保すること。そして農家をサポートしていくことは、そのための手段に過ぎない。従業員の生活を守るために、最大限の努力をしていきたい」と力を込めた。
 文平産業(株)(佐藤直樹社長)のこれまでの実績は、前年比増となっている。「米価の上昇や野菜、果樹の価格が安定していることから、農家の購買意欲は高まっている」と佐藤社長。昨年の実績が悪すぎたというが、関連商品を中心に実績を伸ばし、前年増となった。
 特に色彩選別機、草刈機などの動きが目立った。
 今夏は高温障害やカメムシの被害が出ていたため、その対策に色彩選別機の導入及び導入を検討する農家が増えている。すべて来シーズン用で、専業農家の買い替えが進んだ。秋の展示会でもトラクタ、コンバインなどの超高額商品の動きは鈍かったが、草刈り関係、インプルメントの動きが良かったという。「これまで我慢して使っていた人が多かった。今年は比較的収入が良かった人が多く、これを機に購入する人が多かったのだろう」と、佐藤社長は見ている。
 修理・整備に関しては実績が伸びている。機械が値上げ傾向にあるため、少しでも長く使用しようと整備、修理する人が多い。「特にコンバインやスピードスプレヤーなど、値上げ幅の大きいものは修理・整備の依頼が多い。また、これまで使っていたサイズ、性能の機械が生産終了となり、ちょうど良い機械がないため、仕方なく修理して使う人も増えている」と分析。「顧客がちょうどいいと思うサイズ、性能が選べないと納得して買ってもらえない」という。
 同社では、水稲、野菜、果樹とそれぞれの農家が顧客にいるため、取り扱う機械の数は増えている。顧客のニーズに応えた結果だ。
 米の価格が上昇している中でも離農は相変わらず増えており、個人農家、小規模農家は作業委託が進んでいる状況だ。「今後5年は続けていくが、後継者不足などで10年先のビジョンは見えづらい農家が増えている。米の価格上昇もいつまでも続くものではない。収入が良かったことで一喜一憂せず、壊れそうな機械だけは買っておこうという堅実な農家も多くみられる」と、厳しい状況は続く。
 同社は今年70周年を迎え、長年地域農業を支え続けてきた。「これからも小さなものをコツコツ積み上げて、お客様に寄り添う、弊社の創業からの営業スタイルを貫いていく」と、佐藤社長は次の80年、そして100年に向けて、農家をサポートしていく。

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