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令和6年12月16日発行 第3533号 掲載

広域販社の動き:農機で効率化提案/千葉県特集

 (株)関東甲信クボタ(冠康夫社長)の1~10月の実績は、前年比増。計画についても達成する結果となった。
 「計画は大きな数字だったが、米価の上昇という追い風に乗りこれまで達成することができている。11月の多古流通センターでの展示会は、4日間開催し、数多くの農家が来場した。皆さん本当に元気で、明るい顔をしていた」と、関東営業事業部の錦織孝光副事業部長は語った。
 「米価の上昇により、農家の購買意欲を感じることができた。11月の展示会に向け、県内全般で事前にアプローチをしっかりやろうと取り組んできたことで、予想以上に受注を取ることができた」と、手ごたえを感じている。
 「提案をした時にお客様が真剣に考えてくれるようになっている。私も長年業界にいるが、これまでに経験したことがないような状況で、事前推進の報告が上がってくるにつれ、今回は違うと感じた」という。
 「若いセールスなどは、良い経験ができている。モチベーションも上がっており、このチャンスを自信につなげていってほしい」と望む。
 今年7月には価格改定があった。「冠社長からは価格改定以降は反動で売上げが苦しくなるため、4~6月でしっかり販売し、7~9月は秋商戦の準備を行っていこうという方針説明があった。しかし米価の上昇により価格改定後も農家の購買意欲は衰えず、実績を落とすことなく秋を迎えることができた」と、事前の活動もプラスになっている。
 主要機についてはどれも動きが良かった。「スマート農業は関東甲信クボタ」を掲げる同社は、RTK基地局を県内各地に設置し、スマート農機、ICT機器の設備環境を整えてきた。
 「環境が整備されたことにより、積極的に提案ができるようになった。弊社の担い手ソリューション部の協力により実演も数多く実施でき、田植機を中心に直進キープ機能付きの割合が増えている。また後付けの自動操舵も売れ行き好調だ。KSASの加入者も増加しており、舞台は整ってきた」と、今後もスマート農業の展開に力を入れていく。
 関連商品の売れ行きが良かったことも実績につながった。「先日の展示会でも60社を超える関連メーカーに参加していただき、各社のイチオシ商品を並べてもらった。特に乾燥機、色彩選別機が大きく伸びた」と、来シーズンに使う商品も購入する人が多かった。
 今後については、新シーズンに向けて地道に活動していくとした。「今期は計画達成が見えてきた。それに胡坐をかかずに、新シーズンに向け春先にスタートダッシュを掛ける。2月が勝負になる。実演・訪問を継続し、足固めをしっかりとしていきたい」と、錦織氏は力を込めた。
 「4~10月の実績は計画を達成できている」と、ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越支社(杉山靖彦支社長)関東営業部千葉ブロックの萩原利之エリアマネージャーは振り返った。3月に価格改定による反動が若干あり、厳しいスタートだったが、米価の高騰により稲刈りが終ってからも農機の販売が続いたという。
 11月に行われた「ヤンマーアグリフェア2024in茨城」には、新シーズンに向け、最新の農機や情報を求める大勢の農家が千葉県からも来場し、活気あふれる展示会となった。
 「皆さんの購買意欲の高さを感じた。来期に向けても前向きな声が聞かれた」というように、萩原マネージャーは来シーズンに向け期待が持てると考えている。
 主要機の動きに関しては、いずれも大型化が進んでいる。「離農する人が増え、各地で土地の集約化が進んでいる。そのため担い手による機械の大型化が進んでおり、結果的に金額は伸びている」という。
 田植機は、直進アシスト機能搭載の割合が増えている。「実演や口コミで広がっている。何より作業中に別の仕事ができるメリットに皆さんが注目するようになった」と、苗継ぎや肥料の補充など、作業の効率化を求め選ぶ人が多いという。また、大規模農家を中心にザルビオと連携している可変施肥田植機も導入が進んでいる。
 ミノス社のディスクティラーDTM14と、ディスクロータリー『YDPシリーズ』をはじめ、大型の代かきハロー、可変施肥のブロードキャスタなど多岐にわたって注目され、実演依頼も増えている。
 今期は、直進トラクタ+作業機の実演会を積極的に開催してきた。
 特にYDPは、土壌の条件を選ばないため、田んぼに水分が残っていてもきれいに反転作業をすることができると好評だ。「昨年実演した圃場はしっかり土が反転しており、草の生え方が遅く、1年を通して圃場が良くなったという声が聞かれた」という。
 「新規のお客様からの問い合わせが増えている。導入による良い事例が出ているため、皆で共有し自信を持って提案・実演をしていきたい」と、圃場条件が悪くてもしっかりと作業ができること、そして圃場に良い効果が出ていることをアピールし、提案を強化していく。
 萩原マネージャーは本年7月に、エリアマネージャーに就任した。
 「1年目なのでとにかく取りこぼしのないように計画達成を目指す。基本的にマネージャーは、千葉県の農家・スタッフのサポート役であると考えている。皆さんが動きやすいような環境づくりをしていきたい」と、萩原マネージャーは意気込みを語った。
 「4~10月の実績は前年並みで推移している。トラクタの販売が好調で実績を牽引した」と、三菱農機販売(株)(平木郁夫支社長)千葉支店の酒井裕之支店長は振り返った。畑作農家を中心にトラクタの販売台数が伸びている。田植機、コンバインに関しては、苦戦しているという。
 一方、注目されているのが、ヒサルラー、KUSANAGIなどの作業機だ。ヒサルラーは作業の速さ、機体の丈夫さなどが注目され、大型トラクタ向けの作業機としてこれまでも大きな反響を得てきた。また、昨秋発売された同社初の国産ショートディスクハロー「KUSANAGI」にも、発売以来、多くの農家から関心が寄せられている。「作業能率3倍、燃費6割減を実現する同機は問い合わせも多い。国産ということにも安心感があるようだ。50馬力前後のトラクタで使用できるため、ヒサルラーが大きすぎて使用できなかった農家も利用できるため問い合わせが多い」と、広がりを見せている。
 「KUSANAGIは、土地に合うかどうかはっきりする製品のため、実演が重要になる。製品の性能を100%発揮させるには、正しくセッティングしなければならないため、弊社スタッフで対応している」と、セッティングの不備で正しい性能が発揮されず、残念な結果にならないように万全の体制で実演を行っている。
 ネットからの問い合わせも増えており、今後の新規顧客獲得の武器として期待されている。
 田植機に関しては、ペースト田植機の比率が上がっている。「一度導入した人は、継続して行っている。また、最近は環境問題も相まって問い合わせも増えている」と、注目されている。また、紙マルチの田植機についてもコンスタントに販売されている。「紙マルチを使用する方は、いろいろ試行錯誤してきた方。多くの方に試していただきたい。今年紙マルチを試していただいた農家は、今回除草を一度もしなかったそうだ。労働力・除草剤費用の削減につながった」と、メリットを示しながら導入拡大を目指す。
 今回の米価の上昇は、地区によって農家の反応は様々だという。「米価が上がったことをご祝儀と考え、これを最後にして農機を処分し、後世にマイナスを残さないように離農する人もいたと聞いている。一概に喜ばしいことだけでない。農家にとってはまだまだ不安材料もある。我々も明るい顔ばかりしていられない、厳しい状況は続いている」と、気を引き締める。
 酒井支店長は今年4月に千葉支店長に就任した。「これまでめまぐるしく、あっという間だった。今後も様々な方法で、弊社の製品を知ってもらう活動を精力的に行っていく」と、農家と販売店をサポートしながら、計画達成を目指す。

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