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令和6年12月16日発行 第3533号 掲載

食品ロスで食料支援/関東農政局・みどり戦略勉強会

 関東農政局は11日、みどりの食料システム戦略勉強会(第26回)をオンラインで開催した。年内最後となる今回は「フードロスの削減」をテーマに、一般社団法人日本フードリカバリー協会代表理事の植田全紀氏が登壇。食品ロスを食料支援につなげる最新手法について講演を行った。
 日本フードリカバリー協会は、▽フードリカバリー=流通から外れた食品を流通に戻す▽アップサイクル=新たなアイデアで付加価値の高い商品を作り出す▽リサイクル―を4次産業と位置付け、全産業のロスを4次産業につなげる取り組みを進めている。今回の講演では、食品ロスを貧困世帯への寄付につなげる「コミュニティフリッジ」について紹介した。
 植田氏はまず、食品ロスが年間472万トン発生し、それによる経済損失は4兆円、CO2排出量は1046万トンにのぼると報告。その一方で、子どもの9人に1人が貧困状態にあるという現状から、コミュニティフリッジの取り組みを開始したと述べた。
 コミュニティフリッジは公共冷蔵庫とも呼ばれ、地域の企業や個人から販売期限切れ食品等を寄付してもらい、必要としている人たちに無料で提供するもの。ドイツで始まり、日本では2020年から導入されている。地域に設置した冷蔵庫施設に寄付された食品などが陳列され、必要な人が自由に受け取れる仕組み。ダイレクトに寄付品のやり取りができるため、寄付に係る手間や時間的制約が大幅に削減でき、受け取る側もいつでも気軽に利用可能だ。
 事例として紹介されたコミュニティフリッジ草加(草加商行会議所主催)では、子育て中の貧困世帯を対象に登録制とし、登録者は鍵ナンバーを使ってコミュニティフリッジに入室、ほしい商品を持ち帰ることができる。年間の寄付量は18トン余りで、これによる食料支援額は1521万円、CO2削減量は約40トンと試算。併せて「将来提供する側に立てるよう精進したい」など利用者から多くの感謝の声が届いていることも紹介した。
 植田氏は最後に、今後のビジョンについて「コミュニティフリッジを全自治体に設置し、寄付量50万トンを目指したい」と述べ、さらなる推進に意欲を示した。

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