JA全農・藤原義人氏/欧州農機視察団レポート2

この度、第77次農経しんぽう欧州農機事情視察団に参加させていただきました。これまで触れることのなかった海外の農業・農機情勢の一端を現地で見聞きできたことは、自身の見識を広げる大変有意義な機会となりました。このような場を与えていただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
11月6日から10日までの期間にヴェローナフィエレ見本市会場で開催されたEIMA(国際農業・園芸資材展)を視察しました。過去最高の来場者数を記録したというこの展示会は、展示スペース21館、出展企業1750(うち700が国外)、6万を超える車両・機器・部品が出品される中、150カ国6万3100人の外国人ゲストを含む34万6800人が来場するという、日本ではまず体感することのできない規模感で終始圧倒されました。来場者には若者や家族連れも多く、農業・園芸に関心を抱く年代層は日本と比較し、かなり若い感じがしました。
会場の展示内容から、圧倒的なシェアと規模を誇るジョンディアや、ケース、ニューホランドといったブランドを有するCNHなど巨大欧米メーカーの存在の大きさを感じる一方で、日本のメーカーが世界の市場に食い込もうと挑戦している姿を垣間見ました。クボタブースでは「La forza dei numeri!(数の力)」をキャッチコピーに、「クボタは1974年ヨーロッパに進出して50年」、これまでの生産額・生産台数など「数」を前面に打ち出すことで、世界で評価・支持されている信頼あるメーカーであることを訴求し、欧米巨大メーカーの牙城を切り崩そうと新たな顧客獲得に奮闘していることが伺えました。
イタリアでは、今年で創立60周年を迎えるマスキオガスパルド社を視察しました。イタリア国内に5工場を置くとともに、インド・ルーマニア・中国といった海外にも工場を設け、全世界で1年当たり6万台を生産。ジャンボという6メートル以上のパワーハローを主力製品に持つ総合作業機メーカーです。今回視察したのは、溶解加工やレーザー切断・溶接・曲げ・旋削などの機械加工により部品を生産する工場と、ロータリティラーや粉砕機の組み立てを行う主力工場でした。8時間ごと3交代による24時間生産やロボット化による省人化など、生産性向上や効率化を積極的に進めている一方で、高品質維持を目的にロータリハロー用のセントラルギアボックスは手作業にこだわり、顧客の要望に基づきカスタマイズに対応できる広大な手作業スペースを確保するなど、随所に顧客目線の姿勢を感じました。
また、提携ディーラーなどの整備士を育成するアカデミーを設置し、現場におけるサービスレベルの維持・向上を通じて、顧客に支持され、常に選ばれるメーカーであり続けようとする取り組みは組織として参考にすべき姿勢であると感じました。
フランスでは、パリから西に約100キロ離れたノルマンディ地方ウール県にある農機販売店ル・ゴフ&ジルを視察しました。年間売上げは700万ユーロ(約12億円)、従業員30人の会社で、取り扱う製品の主力はトラクタ(マッセイ・ファーガソン)、コンバイン(クラース)、ガーデニング用の草刈機・チェンソーなど。顧客となる生産者1人当たりの耕作規模が150~300ヘクタール、取り扱うトラクタのメーン馬力帯は200馬力、コンバインは400~500馬力など、日本農業との規模の違いを感じる一方で、現場で取り組んでいることや対応していることに大きな違いはなく、共感することも多くありました。
私自身が部品事業に携わっている立場であることから、部品の仕入れや調達方法について伺ったところ、主に「KRAMP」というアマゾンやモノタロウのようなECサイトを通じて購入しているとのことで、日本の部品供給の仕組みもいずれこのような形態にシフトしていくのではないかと考えさせられました。
最後になりますが、今回の視察を企画・帯同いただいた農経新報社の濱安様、安全かつ円滑な催行に努めていただいた阪急交通社の樺島様、視察ならびに寝食を共にさせていただいた参加メンバーの皆様に心から感謝申し上げます。今回の視察で得た知見は、今後の業務に活かし、微力ながら日本農業の発展に貢献したいと思います。ありがとうございました。
(耕種資材部農業機械課西日本広域部品センター所長)









