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令和6年12月9日発行 第3532号 掲載

国内肥料資源マッチングフォーラム/作業機・土づくり特集

 既報の通り、農林水産省の補助事業により、「国内肥料資源の利用拡大に向けたマッチングフォーラム」が各地で開催されている。畜産堆肥や下水汚泥等からの肥料原料供給事業者、肥料メーカー、国内肥料利用者等が一堂に会し、その利用拡大に向けた交流会として実施しているもの。
 昨年6月に初開催したマッチングフォーラムは5年度に4回開催し、国内肥料資源の利用拡大に向けて多数の関係者による活発な交流が行われてきた。そして、6年度も9月に広島市にて「マッチングフォーラムin中国四国」、12月に札幌市にて「マッチングフォーラムin北海道」が開催されたほか、8月には大阪市にて「シンポジウムin近畿」が行われた。
 同フォーラムでは肥料原料供給者や肥料製造事業者、農業機械等メーカー、肥料販売事業者、相談窓口、その他がそれぞれブースまたはポスターを出展。それぞれの取り扱う商品やサービス、ニーズなどをアピールしたほか、ステージにて基調講演や先進事例先による取り組み事例発表、出展者数社によるショートプレゼンなどが実施され、来場者は大いに情報交換し交流を深めていた。ここでは、9月に行われた「マッチングフォーラムin中国四国」から基調講演などの概要をみる。
 9月25日に広島県立広島産業会館で開催された「マッチングフォーラムin中国四国」では、肥料原料供給者・肥料製造業者・農業機械等メーカー・その他などが30以上の小間を出展。講演会場では、元茨城県農業総合センター園芸研究所所長・小川吉雄氏が「限りある資源の循環利用と環境にやさしい農業」と題して基調講演を行った。
 小川氏はキーワードに「循環」を掲げて、(1)物質循環と農業(2)環境にやさしい農業における土壌肥料的アプローチ―の2項目について説明。
 (1)については、物質を構成している元素は決してこの地球上からなくならないことを踏まえ、農業における物質循環として窒素循環(肥料↓食料↓排泄物↓下水汚泥↓微生物↓脱窒↓大気…)を例示した。また、地球上の物質循環には無生物的に移動する大気循環・水循環と、生物の活動に従って移動する養分循環(食物連鎖)があり、養分循環の基軸は土壌が担っているが、人類は近現代、大量生産・大量消費を効率よく実現するために、従来の循環型農業から、化学肥料や農薬を大量投入して生産物と廃棄物を出す一方通行の物質移動型農業に移行。そのため、地球は多くの側面で限界を迎えており(プラネタリーバウンダリー)、国内外でSDGsや環境に対する関心が高まり、日本の「みどりの食料システム戦略」をはじめ持続的な農業を目指す施策が進められている。
 そこで、(2)環境にやさしい農業における土壌肥料的アプローチとして、物質移動・多肥集約型農業から低投入・持続型農業への移行を提案。日本が輸入している食物・飼料を農地面積に換算すると、国内農地面積の2倍以上にあたる913万ヘクタールにのぼり、日本は国内の2倍以上の農地を海外に依存していると指摘。こうした海外依存脱却を図るため、国内肥料資源の活用を示し、家畜糞堆肥の肥料効果を考慮した施肥設計が重要になると述べ、具体的に(1)堆肥の施用量は含量の高いものを基準に決める(2)含量の少ない、不足する成分は化学肥料で補う―などのポイントを語った。また、輪作体系による耕地管理システムの例を取り上げ、畜産農家も含めた経営の異なる農家間で地域輪作(交換耕作)を行い、システムとして管理することで局所的な家畜糞尿の農地還元を回避し、農機の設備も省力でき、低コスト栽培が可能になるなどと述べた。
 まとめとして、環境にやさしい農業とは土壌本来の持つ多くの機能を最大限利用する農業であり、その概要として(1)土壌を環境資源として明確に位置付け(2)土壌診断・栄養診断による適正な施肥管理(3)有機物還元容量に基づいた有用資源の積極的利用(4)混合堆肥複合肥料、指定混合肥料の開発利用促進(5)緑肥作物を利用した養分循環の再生(6)輪作体系に基づいた耕地管理のシステム化―を提示した。
 その後、先進事例先による取り組み事例紹介として、(株)垣内や、JA全農ひろしま×広島大学、(株)日本有機四国が取り組みを発表。そのうち、垣内は「有機肥料のペレット化について」紹介。垣内は堆肥などをペレット化する造粒機「粒造くん」を製造販売しており、「粒造くん」の累計販売対数は37年間で国内外に累計350台以上を出荷している。特に直近10年間では畜産関係以外からの注文が増えていると述べた。
 また、ペレット生産について、堆肥をペレット化することで▽ブロードキャスタによる均一な機械散布ができる▽肥料効果の遅効性を図れる▽遠隔地など広域への流通がしやすい―などのメリットを示し、ペレット化する造粒機の導入検討課題として、生産計画による機種選定、設置場所やイニシャルコスト・ランニングコストの検討、日常メンテナンス―などをあげた。そのうえで、同社の造粒機「粒造くん」は、▽生産能力が高い▽低温造粒▽メンテナンスが簡単▽造粒機メーカーとしてレイアウト設計から据え付けまで一貫対応可能―等の特徴があると紹介した。さらに、耕種農家からのペレット堆肥のニーズは高く、今後もペレット市場は拡大していくと考えられ、今後もニーズに合わせた商品の開発・設計を行っていきたいなどと語った。

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