アメリカ農務省の世界食料需給見通し/農林水産政策研究所がウェビナー

農林水産政策研究所は4日、「米国農務省及びIFPRIによる世界食料需給見通し」と題したWebセミナーを開催した。米国農務省における世界食料需給見通し等のとりまとめ総責任者であるチーフエコノミストのセス・メイヤー氏による「市場と政策の最新情報」ならびに、国際食料政策研究所(IFPRI)シニア・リサーチ・フェローのキース・ウィーブ氏による「IFPRIの世界食料需給予測」の2講演が行われた。
メイヤー氏はまず国際穀物市場価格の推移について、中国による輸入拡大などを踏まえ、2020年頃に大きく価格が上昇し、その後もウクライナ戦争など何回かの供給面のショックを経つつも、現在はコロナパンデミック以前の価格まで戻りつつあると説明。来年12月における穀物価格予測も概ね横ばいと見込まれ、市場は依然多くのリスクがあるものの、それほど懸念を持っておらず、非常に落ち着いている状況と指摘した。
これに対して、米・小麦・トウモロコシ・大豆の世界の期末在庫推移をみると、米・大豆は増加し、小麦・トウモロコシは減少。米国の小麦生産量は長期的に下落傾向にあったが、ロシア侵攻により小麦価格が上昇したのにつれて2023年は作付け面積が増加。また、ウクライナは小麦輸出を継続、ロシアは小麦の約25%と大量輸出しており、特にロシアは穀物市場で存在感を増しているが、両国とも今後の生産と貿易、輸出摩擦などが懸念され、安定出荷できるかが鍵だと語った。
一方、トウモロコシや大豆についてはバイオ燃料の生産や政策などにより影響されるとしつつ、近年の収量は平年レベルを超え、米国・ブラジル・アルゼンチンなどで成長が見込まれている。メイヤー氏はこの増産分について、これまでは中国が吸収してきたものの、中国の消費・輸入量の増加が鈍化しているため、各国の増産分をどうするのか、中国の次がどこになるかが非常に重要だと説明した。一方、米については小麦や大豆に比べ価格がずっと高いままであり、インドが増産し続けているため、同国の動向がポイントになるなどと語った。









